IP等級防水の読み方|数字ごとに変わる耐水と耐じん範囲
IP68の「6」は防塵の段階、「8」は防水の段階を示します。
スマートフォンの仕様欄にIP68、ワイヤレスイヤホンの箱にIPX4と書かれている場合、比べられるのは後ろの防水の数字だけです。
IPX4の「X」は、防塵を試験していないことを表しています。
IPX4はあらゆる方向からの水しぶきに耐える等級で、水没は対象外です。
防水の段階は、2026年1月に制定されたJIS C 60529で9まで設けられました。
そのため「IPX8が最高等級」という説明は、いまは当てはまりません。
本記事では、IPX4とIPX7のあいだで試験の中身がどう変わるかと、IPXの「X」の読み方を解説します。

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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
IP等級の防水・防塵コードの仕組み
IPコードは、電気機械器具の外郭(がいかく)が異物や水の侵入をどこまで防ぐかを表す記号です。
外郭とは、本体を覆っている外側のケース部分を指します。
IPのあとに数字が2つ続きます。
1つ目の第1特性数字は防塵を0〜6で、2つ目の第2特性数字は防水を0〜9で表します。
それぞれの数字が示す保護の段階を「IP等級」と呼び、防塵と防水を1つの記号でまとめて表すことから「防塵防水規格」と呼ばれることもあります。
日本では2026年1月にJIS C 60529が制定され、それまでのJIS C 0920:2003を置き換えました。
JIS C 60529は国際規格のIEC 60529と一致しています。
海外メーカーの製品に書かれたIP表記も、国内製品と同じ基準で読んでかまいません。
数字は、決められた試験に合格したかどうかを示すものです。
「なんとなく水に強そう」という感覚的な目安とは違います。
IP67なら、防塵6の試験と防水7の試験の両方を満たしています。
片方しか試験していない場合は、試験していない側の数字がXに置き換わります。
IP等級の防水は日常のどこまで耐えるのか
耐えられる場面
雨の中でイヤホンをつけて歩く場合や、洗面所で手を洗うときに水が跳ねる場合は、IPX4の「あらゆる方向からの水しぶき」に当てはまります。
シャワーを直接当てる、蛇口の流水で洗うといった使い方は、しぶきではなく噴流に近くなります。
この場合はIPX5の「あらゆる方向からの噴流」以上を目安にしてください。
水たまりや浴槽に落とした場面は水没にあたるので、一時的な水没を試験するIPX7が基準になります。
耐えられない場面
防水の試験は真水で行われます。
海水、石けん水、温水は試験の条件に含まれていません。
IPX7の試験は水深1mで30分間の一時的な水没なので、プールで泳ぎながら使う使い方は試験の範囲を外れます。
泳ぐと水が動き、手足の動きで水圧もかかるためです。
洗濯機は洗剤・温水・回転が重なるため、どの防水等級も想定していません。
屋外スピーカーのように雨と砂ぼこりの両方にさらされる機器については、防塵防水規格のスピーカーを屋外と屋内で使うときの目安で解説しています。
防水等級IPX4〜IPX9の違いを試験条件で比べる
| 等級 | 試験条件 | 想定される場面 |
|---|---|---|
| IPX4 | あらゆる方向からの水しぶき | 雨の中の持ち歩き、洗面所の水はね |
| IPX5 | あらゆる方向からの噴流 | シャワーや蛇口の流水がかかる |
| IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流 | 強い水流を浴びる屋外での使用 |
| IPX7 | 水深1mに30分間沈める一時的な水没 | 水たまりや浴槽への落下 |
| IPX8 | IPX7より厳しい継続的な水没(水深と時間はメーカーが定める) | メーカーが示す範囲内での水中使用 |
| IPX9 | IPX6を超える厳しい水の噴射(数値は出典によって記載が異なる) | 高温・高圧の洗浄を想定した用途として紹介されることが多い |
IPX8は数字だけでは水深が決まりません。
取扱説明書に書かれた水深と時間までを、その製品の範囲として読んでください。
IPX9の試験条件は、流量の値も、どの規格に属するかの説明も、資料によって食い違っています。
製品ごとの表記を優先して確認してください。
IPX7とIPX8の差はIPX7がどのくらいの水圧に耐えるかとIPX8との違いで、噴流の等級はIP66が強い噴流にどこまで耐えるかで解説しています。
表より下の段階にも定義があります。IPX1は垂直に落ちる水滴、IPX2は15度傾けた状態での水滴、IPX3は60度までの範囲からの散水が試験の対象です。
防塵の等級5と6の違い
第1特性数字の1〜4は、侵入を防ぐ固形物の大きさで区切られています。
1は50mm以上、2は12.5mm以上、3は2.5mm以上、4は1mm以上の物体が対象です。
砂や粉じんを問題にするのは5と6になります。
IP5Xは「防塵形」です。
粉じんが多少入っても、動作や安全に支障が出ない程度に抑えます。
IP6Xは「耐塵形」と呼ばれ、粉じんが内部に入らない段階を指します。
砂浜やキャンプ場で使う機器なら、6のほうが内部に砂が入る心配が少なくなります。
数字の差が防水の数字と組み合わさったときにどう変わるかは、IP55の防じんと防滴がどのくらい耐えるかで、アウトドア用品の選び方は防水防塵の等級表示をアウトドア用品の基準にするときの考え方で解説しています。
IP等級の表記で誤解しやすい点
IPとIPXの違い、Xの意味
IPXの「X」は、その項目を試験していない、または表示していないという意味です。
性能がゼロという意味ではありません。
IPX7の製品が砂に弱いとは限りませんが、防塵の性能は表記からは分かりません。
両方の数字がそろった表記の読み方は、IP67が示す防じんと水深の差で解説しています。
IPX7はIPX6の上位とは限らない
水没の試験と噴流の試験は、別の種類の試験です。
IPX7の試験に合格していても、強い噴流の試験まで通っているとは限りません。
両方を満たす製品は「IPX6/IPX7」のように併記されます。
シャワーを当てる使い方と水没の両方を想定するなら、併記があるかを確認してください。
気圧防水と耐水圧はIP等級と別の規格
腕時計の「5気圧防水」は、IPコードとは別の規格に基づく表記です。
5気圧防水の水深換算と日常使いの目安で解説しています。
雨具や生地に書かれる耐水圧はmmH2O(mm水柱)で表す生地の防水性の指標で、IP等級との換算表は存在しません。
透湿防水素材の性能を示す透湿度(g/m²・24hr)も、IPコードとは関係のない値です。
防水等級は試験条件下の値
IP等級は、試験したときの状態での合格を示しています。
パッキンの劣化や本体の落下による変形があれば、新品のときと同じ防水性は保てません。
等級が高い製品でも、ふたやキャップが確実に閉じているかを使うたびに確かめてください。
よくある質問
IPX8が防水の最高等級ですか?
いいえ。
2026年1月制定のJIS C 60529で防水等級に9が追加され、防水の最高等級は9になりました。
ただし9は噴射の試験で、IPX8の水没試験を含むものではありません。
IPX7ならお風呂で使えますか?
IPX7の試験は真水で行われるため、温水・石けん・湯気は試験の対象外です。取扱説明書に浴室で使えると書かれているかを確認し、書かれていなければ浴室では使わないでください。
耐水圧20,000mmの生地はIPX何に相当しますか?
相当する等級はありません。耐水圧とIPコードは別の規格で、換算表もないため、生地の性能は耐水圧の値で、機器の性能はIP等級で比べてください。
まとめ
IPコードは、1つ目の数字が防塵を0〜6で、2つ目の数字が防水を0〜9で表します。
IPX4は水しぶき、IPX5とIPX6は噴流、IPX7は水深1mで30分の一時的な水没、IPX8はメーカーが定める条件での継続的な水没が試験の対象です。
Xは「試験していない」という意味で、IPX7とIPX6は上下関係ではありません。
どの等級も、新品の状態で真水を使った試験での結果です。
海水や温水を使う場面、パッキンが劣化した状態までは保証していません。
水場や屋外での使い方に合わせた読み方は、防水IPXの等級だけで屋外や水場でも使えるかの判断で解説しています。
ぜひ本記事の試験条件の表を参考に、使う場面に合った等級の製品を選んでください。



