SHARE:

防水防塵の等級表示はアウトドア用品に使える基準になる?

ランタンの箱にはIP67、ヘッドライトにはIPX4、テントのタグには耐水圧の数字が並んでいます。どれも「防水」に見えますが、測っている中身はそれぞれ違います。

電気製品に付くIPの防水防塵等級は、JIS C 0920(国際規格IEC 60529)で試験方法が決まっています。

そのため、アウトドア用品を比べる基準として使えます。

ただし、数字が保証するのは決められた試験条件の範囲までです。

海水や泥水、キャップを開けたままの状態は含まれていません。

1桁目が砂やほこり、2桁目が水への強さを表しており、IP67なら「粉じんが内部に入らず、水深1mに30分沈めても有害な影響が出ない」という意味です。

本記事では、2桁目の数字で「浴びる水」と「沈める水」を見分ける読み方と、川・砂浜・雨のキャンプで目安にしたい等級を解説します。

なんでも防水したい編集部

「なんでも防水したい」は、身の回りのアイテムを 水濡れトラブルから守るアイデアを発信するメディアです。 防水スマホケース、防水バッグ、防水ガジェット、防水スプレーまで、 シーン別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

防水防塵の表示があるのに濡れるのはなぜか

IPX7の製品を川に落とし、拾い上げたら中が曇っていた。こうした浸水の多くは、等級の試験条件と実際の使い方がずれていることから起きます。

IPX7の試験は、製品を水深1mの真水に静かに沈め、30分間置いて確かめるものです。

川の流れや波、高い位置から水面に落ちたときの衝撃は、この試験には含まれていません。

勢いよく水に当たると、静かに沈めたときより強い力がパッキンにかかります。

水没と噴流が別の試験であることも、見落とされがちな点です。

IEC 60529では、IPX7やIPX8に適合していても、IPX5・IPX6の噴流試験に適合しているとは限らないとされています。

両方を満たす製品は「IPX6/IPX7」のように併記されるので、表記が1つだけなら、もう一方は確認されていないと受け取ってください。

新品の状態で試験されていることも前提にあります。

ゴムのパッキンは使ううちに硬くなり、砂粒を噛めば隙間ができます。

等級は「その条件でなら耐える」という約束であって、どんな場面でも濡れないという意味ではありません。

防水防塵の等級を読むときに見る4つの基準

2桁目の数字は「浴びる」か「沈める」かで読む

水への強さを示す2桁目は、6までが外から水が当たる試験、7と8が水に沈める試験です。

IPX3は垂直から60度までの散水、IPX4はあらゆる方向からの水しぶきに耐えますが、どちらも水没は対象外です。

IPX5はあらゆる方向からの噴流水、IPX6はさらに強い噴流水が基準になります。

噴流の強さの目安はIPX5の噴流水に対する強さで解説しています。

数字が大きいほど上位に見えても、6と7は測っている内容が違うので、使う場面が「雨に打たれる」のか「水に落とす」のかを先に決めてから選んでください。

1桁目の5と6は砂の多い場所で差が出る

1桁目の5は「防塵形」で、粉じんがある程度入っても正常な動作を妨げない構造を指します。

6は「耐塵形」で、粉じんが内部に侵入しない構造です。

舗装路や芝生のキャンプ場なら5でも困る場面は少ないのですが、砂浜や乾いた河原、未舗装の林道では細かい砂が隙間に入り込みます。

ボタンやスイッチの動きが渋くなるのを避けたいなら6を選んでください。

5の等級が示す範囲はIP55の防じん防滴の目安で解説しています。

「X」は試験していないという意味

IPX7の「X」は、防塵の試験を行っていない、または表示していないことを示します。

防塵性能がゼロという意味ではありませんが、どの程度かは等級からは分かりません。

IP67とIPX7は水に対する基準が同じで、違いは防塵が確認されているかどうかです。

この差はIP67の防じんと水深の差で解説しています。

防水防塵の等級は「閉じた状態」の値

充電口のキャップや電池ぶたが開いていれば、等級は成り立ちません。

キャップレス構造の製品もあれば、ふたを閉めて初めて等級どおりになる製品もあります。

どちらなのかは取扱説明書の注意書きで確認してください。

防水防塵等級のタイプ別比較

等級を実際の使い道に置き換えると、次の5タイプに分けられます。撥水加工だけの製品も、防水と混同されやすいため表に入れています。

タイプ防水の仕組み向いている場面弱点
防滴タイプ(IPX3〜IPX4)隙間から水しぶきが入りにくい構造小雨の中での設営、テーブル上での使用噴流と水没は対象外
噴流対応タイプ(IPX5〜IPX6)あらゆる方向からの噴流に耐える密閉構造強い雨、泥汚れを水で流したい場面水没の試験とは別
水没対応タイプ(IPX7〜IPX8)パッキンで開口部を密閉し、水中でも浸水を防ぐ構造川遊び、カヤック、水辺での落下対策流れや衝撃、海水は試験条件外
耐塵タイプ(IP6X)粉じんが内部に侵入しない構造砂浜、河原、未舗装の林道2桁目によって水への強さが大きく変わる
撥水加工のみの製品表面で水をはじく加工短時間の小雨水をはじくだけで浸水は防げない

噴流対応タイプの上限にあたるIPX6の水量の目安は、IP66の強い噴流に対する目安で解説しています。撥水加工は使ううちに落ちていくので、等級の表示がない製品を防水として扱わないでください。

アウトドアの場面別に見る防水防塵の目安

雨のキャンプや登山

雨の当たる場所に置くランタンやヘッドライトは、あらゆる方向からの水しぶきに耐えるIPX4が最低限の目安です。

風を伴う強い雨の中で長く使うなら、噴流に耐えるIPX5以上を優先してください。

テント脇に置くスピーカーも同じ考え方で選べます。

屋外での置き方は防塵防水規格のスピーカーを屋外で使うときの目安で解説しています。

川遊び・カヤック・SUP

水に落とす可能性がある場面では、水没対応のIPX7かIPX8を選んでください。

IPX8はIPX7より厳しい条件ですが、深さと時間はメーカーが個別に決めているので、仕様書の数値まで確認する必要があります。

両者の違いはIPX7とIPX8の違いで解説しています。

また、水に沈む製品は回収できなければ意味がないため、浮くかどうかやストラップの有無も見ておくといいでしょう。

砂浜・河原・林道

砂の多い場所では、1桁目が6の耐塵タイプを優先してください。

海辺で使うなら、等級の試験が真水で行われていることも頭に置いておく必要があります。

海水に触れたあとの手入れ方法は製品によって異なるため、取扱説明書の指示に従ってください。

耐水圧や気圧の表示とIP規格は別の物差し

テントやレインウェアに書かれた耐水圧は、生地がどれだけの水圧に耐えるかを示す数値で、IPの防水防塵等級とは試験方法がまったく違います。腕時計に使われる「◯気圧防水」も、時計向けの規格に基づく別の表示です。

3つの表示は互いに換算できません。

「IPX7と同じくらいの耐水圧」のような比べ方は成り立たないので、同じ表示同士で比べてください。

気圧表示の読み方は5気圧防水の水深換算と日常使いの目安で解説しています。

IPの数字だけで屋外の使い方を判断してよいかは、IPX等級の読み方と屋外で使うときの注意で解説しています。

防水防塵ギアで買ったあと後悔しやすい点

キャップの閉め忘れは、もっとも多い浸水の原因です。

充電したあとにふたを浮かせたまま持ち出すと、IPX7の製品でも小雨で水が入ります。

出かける前に、キャップの縁を指でなぞって浮きがないか確かめてください。

パッキンは消耗品で、年数とともに弾力を失います。

砂や髪の毛を噛んだまま閉じても隙間ができるので、ふたを閉める前にゴムの表面を拭いておくと浸水を防げます。

落としてボディが変形した製品は、見た目が無事でも密閉が崩れている場合があります。

お湯や石けん水、入浴剤を含んだ水も、等級の試験条件には含まれていません。

温泉やシャワーでの使用を認めているかどうかは製品によって異なるので、取扱説明書で確認してください。

濡れたまま充電口を使うことを禁止している製品も多いため、水辺から戻ったら水気を拭き取り、乾かしてから充電するようにしましょう。

よくある質問

IPX8ならIPX7より必ず深く沈められますか?

IPX8はIPX7より厳しい条件で試験されますが、深さと時間はメーカーが決めています。何mまで何分耐えるかは、製品ごとに仕様書で確認してください。

IP67とIPX7は水への強さが同じですか?

同じです。

2桁目がどちらも7なので、水没の試験条件は変わりません。

違いは、IP67は粉じんが内部に入らないことまで確認されている点です。

防水防塵の製品を海で使ってもいいですか?

等級の試験は真水で行われるため、海水での使用は等級の範囲外です。海水での使用を認めているかどうかは製品によって異なるので、取扱説明書の記載と、使用後の手入れ方法を確かめてから持ち出してください。

撥水スプレーをかければ防水になりますか?

なりません。

撥水は表面で水をはじくだけで、縫い目や隙間からの浸水は防げません。

電気製品の防水防塵性能は、本体の構造と等級で判断してください。

まとめ

IPの防水防塵等級は試験方法が決まっているため、アウトドア用品を比べる基準として使えます。

読むときは、2桁目で「浴びる」か「沈める」かを見分け、1桁目の5と6で砂への強さを確かめ、Xは未試験だと受け取ってください。

そのうえで、等級はキャップを閉じた新品の状態で、真水を使って確かめた値だということも押さえておく必要があります。

雨のキャンプや登山ならIPX4以上、強い風雨の中ではIPX5以上を目安にしてください。

川やカヤックではIPX7かIPX8を選び、IPX8は深さと時間まで確認します。

砂浜や河原では1桁目が6の製品を優先し、海水に触れたら取扱説明書に沿って手入れしてください。

ぜひ本記事の等級の読み方を参考に、出かける場所で起きる水と砂に合った防水防塵ギアを選んでください。

あなたへのおすすめ