SHARE:

IP64防水はどのくらい耐える?防塵と飛沫への強さの違い

IP64は、粉塵の侵入を防ぐ「完全防塵」と、いかなる方向からの水の飛沫にも有害な影響を受けない防水を組み合わせた等級です。水に沈める使い方は、この等級の試験範囲に入っていません。

屋外用スピーカーや照明の仕様表にIP64とあり、すぐ隣にIP67の製品が並んでいる。

1桁目の6は防塵の最上位なので、砂ぼこりについては両者に差がありません。

違いが出るのは2桁目です。

4は「しぶき」までを想定した数字で、7は水に沈める試験を表します。

本記事では、2桁目の4が守る範囲と、シャワーや海水が試験条件から外れる理由を解説します。

なんでも防水したい編集部

「なんでも防水したい」は、身の回りのアイテムを 水濡れトラブルから守るアイデアを発信するメディアです。 防水スマホケース、防水バッグ、防水ガジェット、防水スプレーまで、 シーン別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

IP64の防水・防塵の定義と試験の前提

IPコードは「IP+第1特性数字+第2特性数字」の形で書きます。

第1特性数字は人体や粉塵などの固形物に対する保護で0〜6、第2特性数字は水の侵入に対する保護で0〜9の範囲です。

IP64なら、6が防塵、4が防水を表しています。

防塵の6は第1特性の最上位で、完全防塵を意味します。

IP68が「完全防塵かつ継続的潜水」と読まれるのと同じ考え方です。

一方で防水の4は「いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない」という保護なので、上から降る水だけでなく、横や下から跳ね返ったしぶきも対象に含まれます。

試験は常温の真水で行います。

この基準は2026年1月に制定されたJIS C 60529で定められており、2003年から使われてきたJIS C 0920:2003を置き換えました。

国際規格のIEC 60529と一致し、刷新にあわせて防水の最高等級として9が追加されています。

0〜9のうち、IP64の4は中ほどに位置する等級です。

IP64防水で耐えられる場面・耐えられない場面

IP64で耐えられる場面

雨に当たる、手洗いの水が跳ねる、水たまりの跳ね返りがかかるといった「水がかかる」場面が、4の想定範囲です。

方向を問わないため、置き場所の向きで濡れ方が変わる屋外でも飛沫として扱えます。

防塵が6なので、砂浜や庭先のほこりが内部に入る心配もありません。

ただし規格は雨量や濡れていた時間まで区切っていないので、雨ざらしで置き続けてよいかは製品の取扱説明書で確かめてください。

IP64で耐えられない場面

水没は対象外です。

浴槽に落とす、プールに沈める、波をかぶって浸かるといった使い方は、潜水の試験を行うIPX7・IPX8の領域にあたります。

ホースで水を当てる使い方も外れます。

水圧のかかる水流は噴流水(第2特性5・6)の試験であり、4の試験条件とは別のものです。

海水・湯・石けん水も試験条件の外にあります。

試験が常温の真水で行われる以上、浴室での湯しぶきや海辺の塩水のしぶきを「4だから平気」とは判断できません。

水圧のかかるシャワーを当てる、洗面台で丸洗いするといった使い方も、しぶきの範囲を超えているので避けてください。

IP64と近い防水等級の違い

第2特性の数字は、水がどこから・どう当たるかで区切られています。IP64の4を前後の等級と並べると、守る範囲の広がり方が分かります。

防水等級試験条件(定義)想定される場面
IPX2垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けないほぼ真上から落ちる水滴
IPX3垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない斜めから降る雨
IPX4いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない横や下から跳ねる水しぶき
IPX5・IPX6噴流水に対する保護ホースなどで水を当てる場面
IPX7・IPX8潜水に対する保護水に沈む場面
IPX9高温・高圧水の噴射に対する保護高温・高圧の水で洗う場面

数字が大きいほど上位、と単純には言えません。

IPX7・IPX8は潜水の試験なので、噴流水(IPX5・IPX6)に耐えることまでは意味しないためです。

両方が必要な製品は「IPX5/IPX8」のように併記されます。

水流への強さはIP66が想定する強い噴流の目安で、水深との関係はIP67の防じんと水深の考え方やIPX7とIPX8の違いで解説しています。

防塵の数字が違う等級と比べたいときは、IP55の防じん防滴の目安も参考になります。

IP64の表記を読むときの防水・防塵の注意

IP64とIPX4は、防水の数字が同じでも意味が違います。

IPX4の「X」は防塵の項目を試験していない、または表示していないという意味で、防塵性能がゼロという意味ではありません。

IP64は防塵も試験したうえで6と表示しているので、ほこりへの保護まで数字で確かめられます。

腕時計の「5気圧防水」のような気圧防水は、IPコードとは別の規格(JIS B 7021:2013)による表記です。IP64と気圧の数字を並べても比較にはならないため、5気圧防水の水深換算と日常使いの目安を別に確認してください。

「生活防水」も規格用語ではなく、明確な定義がありません。

メーカーが独自に使う表現なので、仕様表にIPコードがあればそちらを優先して読みます。

また、撥水は表面で水をはじくだけで浸水は防げないので、IP64のような防水等級とは区別してください。

アウトドア用品の選び方は防水防塵の等級表示をアウトドア用品で読むときの基準、等級だけで判断してよいかは防水IPXの等級を屋外や水場で読むときの考え方で解説しています。

IP64の防水性能が落ちる条件

IP64という表示は、新品の製品を試験条件下で測った結果です。

パッキンが劣化したり、落下で外装が変形したりすると、表示どおりの保護は期待できなくなります。

端子カバーやキャップがある製品なら、閉め忘れやゴムの硬化も浸水の入り口になります。

屋外に置くスピーカーのように長く使う製品は、防塵防水規格のスピーカーを屋外や屋内で使うときの注意もあわせて確認してください。

よくある質問

IP64とIPX4は防水性能が違いますか?

防水の数字はどちらも4なので、水の飛沫に対する保護は同じです。違うのは防塵で、IP64は完全防塵の6まで試験・表示しており、IPX4は防塵の項目を試験していないか表示していません。

IP64の機器をシャワーで洗えますか?

おすすめできません。

水圧のかかるシャワーは試験条件の外で、水流を当てる保護は噴流水(5・6)の等級にあたります。

手入れの方法は製品の取扱説明書に従ってください。

防水の最高等級はIPX8ですか?

いいえ、現在の最高等級は9です。

2026年1月に制定されたJIS C 60529で、国際規格に合わせて9が追加されました。

9は高温・高圧水の噴射に対する保護を表します。

まとめ

IP64は、完全防塵の6と、あらゆる方向からの水しぶきに耐える4を組み合わせた等級です。雨や跳ね水には備えられる一方で、水没・噴流・海水・湯は試験条件の外にあり、パッキンの劣化や落下でも保護は下がります。

水がかかるだけなのか、沈むのか、勢いよく当たるのかで、必要な数字は変わります。ぜひ本記事の等級表を参考に、使う場面に合った防水等級の製品を選んでください。

あなたへのおすすめ