完全防水の表示があれば水没するプールでも使える?注意点
IPX8の防水等級を取得し、パッケージに「完全防水」と書かれたスマートフォンでも、プールに飛び込んだあと画面の内側が曇ることがあります。防水等級を定めたJIS C 0920には「完全防水」という区分がなく、等級として決まっているのはIPX7やIPX8といった数字だけです。
この数字は、常温の真水に、決められた深さと時間だけ静かに沈めた試験の結果を示しています。
泳いだり飛び込んだりする状況や、塩素を含むプールの水は試験の条件に入っていません。
そのため、プールで使えるかどうかは等級の数字ではなく、メーカーが取扱説明書でプールでの使用を認めているかで判断します。
本記事では、IPX7とIPX8の試験条件の差と、飛び込んだときの水圧や塩素で浸水が起きる仕組みを解説します。

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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
完全防水と書かれていてもプールで浸水する理由
防水等級の試験は、水が動かない状態で行われます。
IPX7は「一時的に水深1mへ30分沈めても内部に浸水しない」こと、IPX8は「IPX7より厳しい条件で継続的に沈めても浸水しない」ことを示す等級です。
IPX8の具体的な深さと時間はメーカーが決めて表示するので、同じIPX8でも製品ごとに条件が違います。
プールの中では、この前提が崩れます。
水面に飛び込んだ瞬間や、腕を勢いよく振って水をかいたときには、静かに沈めたときより強い水圧がパッキンの継ぎ目にかかります。
試験は常温の真水で行われますが、プールの水には消毒用の塩素が含まれています。
日焼け止めや皮脂が付いたまま水に入ると、ゴムのパッキンに油分が残ることもあります。
もう一つ見落としやすいのが、防水等級の値は新品の状態で測ったものだという点です。
落下でできた小さな歪みや、繰り返し開け閉めしたカバーのすり減りは、等級の数字に反映されません。
つまり「完全防水」の表示は、その製品が決められた条件で浸水しなかったという記録であり、プールでの使用を保証するものではありません。
完全防水の製品を選ぶ前に見るIPX等級と使用条件
「完全防水」という言葉は、メーカーが宣伝のために付けている表現です。実際に比べるべきなのは、その横に小さく書かれた等級の表記と、取扱説明書にある使用条件の一文です。
IPX7とIPX8の違いは沈める深さと時間
IPX4は「あらゆる方向からの水しぶき」、IPX5とIPX6は「噴流水」に耐える等級で、水没は対象外です。
水に沈めてよいのはIPX7からで、IPX7は水深1m・30分という一時的な水没までを想定しています。
プールの底まで潜る使い方を考えるならIPX8が前提になり、そのうえでメーカーが示す深さと時間を確かめてください。
IP68のように防塵の数字が並ぶ意味
「IP68」の「6」は防塵の等級で、粉塵が内部に入らないことを示しています。
「X」はその項目を試験していないという意味で、IPX8なら防塵については何も表していません。
砂浜やプールサイドで砂がパッキンに挟まると防水性が落ちるので、屋外の水辺で使うなら防塵側の数字にも目を向けておくと判断材料が増えます。
取扱説明書にある「プール・海水」の記載
IPX8の製品でも、取扱説明書に「プールや海水での使用は避けてください」と書かれている例は珍しくありません。
等級の数字より、この一文のほうがプールで使えるかどうかを直接示しています。
購入前に、メーカーのサイトで説明書の注意事項を確認してください。
腕時計は気圧表記と用途の表示を見る
腕時計の防水はIPX等級ではなく、「日常生活用防水」「日常生活用強化防水」といった区分と気圧で表示されます。
気圧の数字は試験での圧力を示すもので、そのまま潜れる水深には置き換えられません。
水泳に使えるかどうかは、メーカーが用途として明記しているかで判断します。
防水の仕組み別に見るタイプの比較
同じ「水に強い」という表示でも、どこまで耐えるかはタイプによって大きく異なります。プールに持ち込む前に、手持ちの製品がどの行に当てはまるかを見てください。
| タイプ | 防水の仕組み | 向いている場面 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| IPX4〜IPX6 | 本体の継ぎ目をふさぎ、水しぶきや噴流水の侵入を防ぐ | 雨の中での使用、水回りでの水はね | 水没は等級の対象外 |
| IPX7 | パッキンで密閉し、短時間の水没に耐える | うっかり水たまりや浴槽に落としたとき | 水深1m・30分を超える水没や水流は想定外 |
| IPX8 | パッキンで密閉し、メーカーが定めた条件での継続的な水没に耐える | メーカーが水中使用を認めた範囲での使用 | 条件は製品ごとに違い、塩素や飛び込みの水圧は試験条件に含まれない |
| 袋型の防水ケース | 袋の口をジッパーや折り返しで閉じ、中の製品を包む | 防水機能のない製品を水辺へ持ち出すとき | 口の閉じ方が甘いと浸水し、ケース自体も劣化する |
| 撥水加工 | 表面で水をはじく | 小雨、短時間の水はね | 浸水は防げず、水没には使えない |
表のうち、水没を前提にできるのはIPX7以上と、IPX8相当をうたう防水ケースだけです。撥水加工は水をはじくだけなので、プールの用途には入りません。
プール・海・お風呂で完全防水を使い分ける
水に入る場面ごとに、製品にかかる負担は異なります。場所によって何を優先して確かめるかを決めておくと、判断に迷いません。
プールで泳ぐ・飛び込むなら
IPX8で、かつ説明書でプールでの使用が認められている製品だけを持ち込んでください。
飛び込みや水中での激しい動きは、どの等級の試験条件にも含まれていません。
メーカーが水泳用途を明記していない製品は、プールサイドで使う範囲にとどめます。
海やビーチで使うなら
海水は塩分が残りやすく、乾くと結晶になって端子やボタンのすき間に固まります。防水等級に加えて防塵の数字も高い製品を選び、使い終わったら真水で洗い流せるかを説明書で確かめてください。
お風呂や温泉に持ち込むなら
防水等級の試験は常温の水で行われるため、湯気や温水は対象外です。
温度差で内部に結露が起きたり、石けんやシャンプーの成分でパッキンが傷んだりします。
入浴中に身につける製品については、完全防水の遺骨リングを入浴や温泉でつけたままにしてよいかで解説しています。
完全防水の製品をプールで使ったあと後悔しやすい点
浸水は、水に入っている最中より、使ったあとの扱いで起きることが多くあります。
一つ目は、端子カバーやキャップの閉め忘れです。
充電口のカバーが少し浮いているだけで、本体の防水等級は意味をなさなくなります。
水に入る前に、すべてのカバーが奥まで押し込まれているかを指で確かめてください。
次に多いのが、濡れたままの充電です。
端子に水分が残った状態でケーブルを挿すと、腐食や故障の原因になります。
多くのメーカーは、水に触れたあとは端子をよく乾かしてから充電するよう説明書で求めています。
最後は、時間とともに進むパッキンの劣化です。
ゴムは塩素や紫外線、落下の衝撃で少しずつ硬くなり、すき間ができます。
購入時にIPX8だった製品でも、何年も使えば同じ性能を保っているとは限りません。
また浸水による故障は、メーカー保証の対象外とされている場合が多いので、保証の条件も先に読んでおくと安心です。
防水と撥水を取り違えないための見分け方
「水に強い」と書かれた製品の中には、防水ではなく撥水どまりのものが混ざっています。
撥水は表面で水をはじく加工で、水圧がかかれば内部に染み込みます。
プールのように全体が水に浸かる場面では使えません。
見分けるには、IPXの数字や耐水圧の表記があるかを確認します。
数字がなく「撥水」「はっ水加工」とだけ書かれていれば、水没には耐えられないと考えてください。
生地の撥水については撥水性の高い生地が雨の日の通勤に向くかどうかで、加工の持ちについては超撥水コーティングを普段着の上着に使う場合で解説しています。
バッグなど身近な製品で防水性能の数字をどう読むかは、防水性能の数値をバッグ選びの指標にできるかで解説しています。
よくある質問
完全防水と書いてあれば、プールに沈めても壊れませんか?
壊れないとは言えません。
「完全防水」は等級の名前ではなく、多くは常温の真水に静かに沈めたときの結果をもとにした表現です。
プールでの使用を説明書で認めている製品だけを持ち込んでください。
IPX7の製品でプールに入っても大丈夫ですか?
泳ぐ用途には向きません。IPX7は水深1m・30分の一時的な水没までを想定した等級で、水中での動きや飛び込みは試験に含まれていません。
IPX8なら海でも使えますか?
メーカーが海水での使用を認めているかで決まります。
IPX8の試験は真水で行われるため、海水での使用を避けるよう説明書に書かれている製品もあります。
使った場合は、塩分を真水で流してから乾かしてください。
雨の日の通勤で使う靴にも完全防水は必要ですか?
水没するわけではないので、プールとは求める性能が違います。台風のような強い雨の日に通勤で履く靴の考え方は、完全防水のレインパンプスを台風の日の通勤に使えるかで解説しています。
まとめ
「完全防水」の表示だけでは、プールで使えるかどうかは判断できません。
確かめるのは、IPX7かIPX8かという等級の数字と、取扱説明書にプールや海水での使用条件がどう書かれているかの2点です。
防塵の数字やパッキンの状態も、水辺で使い続けるうえでは見逃せません。
プールで泳ぐなら水泳用途を明記したIPX8の製品を、海ではそれに加えて真水で洗い流せる製品を選んでください。
お風呂や温泉は温水と湯気で試験条件から外れるので、メーカーの記載がない製品は持ち込まないのが確実です。
ぜひ本記事の等級の読み方を参考に、手持ちの製品の説明書を開いて、プールに持ち込めるかを確かめてください。



