SHARE:

レインコート撥水復活はドライヤーで可能?温度と当て方

洗濯表示にアイロン記号が付いたナイロンのレインコートで、肩と背中だけ水が玉にならず、生地が濃く染みて広がっていく。

この状態なら、洗ってからドライヤーの温風を当てるだけで撥水が戻ることがあります。

撥水加工が消えたのではなく、汚れや摩擦で表面の撥水成分が寝てしまい、水をはじく向きを失っているケースが多いからです。

ただし、どのレインコートでも戻るわけではありません。

塩化ビニル製のカッパには撥水加工そのものが無いことが多く、熱を当てると表面が傷みます。

撥水成分が摩耗して残っていない生地も、温めるだけでは元に戻りません。

本記事では、洗濯表示のアイロン記号を目安にした温風の強さと、縫い目のシームテープを傷めない当て方を解説します。

なんでも防水したい編集部

「なんでも防水したい」は、身の回りのアイテムを 水濡れトラブルから守るアイデアを発信するメディアです。 防水スマホケース、防水バッグ、防水ガジェット、防水スプレーまで、 シーン別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

なぜレインコートの撥水は落ちたように見えるのか

撥水と防水は役割が違います。

撥水は生地の表面で水をはじく加工で、生地に水を通さない仕組みではありません。

浸水を止めているのは、裏側の防水膜(メンブレン)やコーティングのほうです。

撥水が弱ると、水が玉にならず表地に染み込み、濡れた布の層が表面に広がります。

裏の防水膜が無事なら水は内側まで届きませんが、表地が水を含むと生地の通気が落ちて内側が蒸れやすくなり、肌に貼りつく冷たさも出てきます。

これを「防水が切れた」と感じる人は少なくありません。

表面の撥水成分は、細い毛のような構造が立った状態で水をはじいています。

皮脂や排気ガスの汚れが付いたり、リュックの肩ベルトでこすられたりすると、その構造が倒れたまま戻らなくなるので、肩と背中から先に撥水が弱ります。

熱を加えると倒れた構造が起き上がりやすくなり、ドライヤーで撥水が戻る理由はここにあります。

撥水が落ちる原因全般はレインコートの撥水が落ちる原因と復活方法で解説しています。

ドライヤーで撥水復活できるレインコートの見分け方

温風を当てる前に、熱をかけてよい生地かどうかを確かめてください。見る場所は4つで、どれか1つでも当てはまらなければドライヤーは使いません。

洗濯表示とブランドごとのケア表示

最初に見るのは襟元や脇の洗濯表示です。

アイロン記号に×が付いていれば、熱を加えない前提で作られた生地なのでドライヤーも避けます。

点が1つなら低温、2つなら中温までが上限の目安です。

アウトドア系のブランドには、付属のタグや取扱説明書で「乾燥機やアイロンで撥水を回復させる」と明記している製品もあり、その指示があれば従ってください。

表地の素材とタイプ

ナイロンやポリエステルの表地に撥水加工をしたレインコートは、ドライヤーで撥水が戻る可能性があります。塩化ビニル製は熱で硬化や変形を起こしやすく、対象外です。

撥水成分が残っているか

何年も着て表面がすれて光っている部分は、撥水成分自体が削れています。その場合は撥水スプレーなどで撥水剤を補う必要があり、熱だけでは戻りません。

縫い目のシームテープ

縫い目の裏に貼られた防水テープは、接着剤で付いています。強い熱を長く当てると端が浮くことがあるので、テープの位置を裏返して確かめておくと当て方を調整できます。

レインコートのタイプ別に見るドライヤーとの相性

同じ「レインコート」でも、防水の仕組みが違えば熱への強さも変わります。

タイプ防水の仕組み向いている場面弱点
透湿防水メンブレン+撥水加工表地の撥水加工と、裏の防水膜の二段構え登山・自転車・長時間の外歩き撥水が落ちると表地が濡れて蒸れやすくなります。温風での撥水復活が見込めるタイプです
ポリウレタンコーティング+撥水加工生地裏の樹脂コーティングで水を止めます通勤・通学など短時間の雨コーティングは経年で劣化し、熱を当てすぎるとべたつきやはがれが進みます
塩化ビニル(PVC)生地そのものが水を通しません作業・釣り・子どものカッパ撥水加工が無いことが多く、熱で硬化や変形が起きます。ドライヤーは使いません
撥水加工のみのパーカー表面の撥水だけで、防水膜はありません小雨や風よけ撥水が戻っても浸水は防げず、強い雨では内側まで濡れます

撥水パーカーは防水ではなく撥水どまりなので、温風で撥水が戻っても本降りの雨には向きません。素材ごとの違いは撥水パーカの素材と加工による着心地の差で、透湿の考え方は透湿性で選ぶ防水ウインドブレーカーで解説しています。

ドライヤーの温度と当て方の手順

汚れたまま温めても、撥水は戻りません。皮脂の上から熱を加えると汚れが生地に定着するので、手順の最初は洗濯です。

中性洗剤で洗い、柔軟剤は入れない

洗濯表示に沿って、中性洗剤かアウトドアウェア用の洗剤で洗います。

柔軟剤は繊維の表面に膜を作り、撥水を妨げるので入れないでください。

洗剤が残ると水を引き寄せるため、すすぎは多めにします。

乾かしてから温風を当てる

濡れたまま温風を当てても乾燥に時間を取られるだけなので、陰干しで乾かしてから始めます。

温度は「手のひらで熱くない距離」を基準にする

アイロン記号の点が1つの生地なら弱めの温風、2つ以上なら通常の温風を目安にします。

ドライヤーの吹き出し口と生地の間に手のひらを入れ、熱いと感じない距離を保ってください。

表側から、ドライヤーを小さく往復させながら全体を温め、撥水が弱っていた肩・背中・袖口は少し長めに当てます。

縫い目の上は温風を止めずに通過させ、一点に当て続けないことでシームテープの浮きを防げます。

水を垂らして確かめる

生地が冷めてから、指先で水を数滴落とします。

玉になって転がれば撥水は戻っていて、染み込むなら撥水成分が足りていません。

その場合はドライヤーを強めるのではなく、撥水剤を補ってください。

通勤・アウトドア・子ども用で変わる撥水ケア

通勤用のメンズ・レディースのレインコート

スーツやジャケットの上から着る通勤用は、ポリウレタンコーティングのタイプが多く見られます。

コーティングは熱に弱いので、弱めの温風で短く仕上げ、肩と背中だけを重点的に温めてください。

リュックの肩ベルトがこする部分は撥水が落ちやすく、洗濯の頻度もほかより上げます。

アウトドア用のレインパーカー

透湿防水メンブレンのタイプは、撥水が落ちると透湿性も落ちるので、汗で内側が濡れる原因になります。

山行のたびに洗ってから温風を当てると、撥水が保たれやすくなります。

上下で揃えている場合のケアはレインウェアの撥水が切れる原因と対処法で解説しています。

子ども用のカッパ

子ども用は塩化ビニル製が多く、ドライヤーは使いません。

表面の汚れを水拭きして陰干しすれば十分です。

ナイロン製の子ども用なら、大人用と同じ手順で撥水を戻せます。

素材別の手入れはカッパの撥水を戻す手入れで解説しています。

ドライヤーで撥水復活させたあとに後悔しやすい点

ドライヤーで撥水が戻っても、それは表面の構造が起き上がっただけで、撥水成分が増えたわけではありません。

着て、こすれて、汚れれば、また同じ場所から弱ります。

一度で長く持つと考えず、撥水が落ちてきたら洗濯と温風をくり返すものと考えたほうが実態に近いです。

熱の当てすぎにも注意が必要です。

一点に温風を当て続けると、コーティングのべたつきや、シームテープの端の浮きにつながります。

テープが浮いた縫い目からは水が入るので、撥水を戻したつもりで防水を損ねる結果になります。

もう1点、撥水スプレーを使った直後の扱いがあります。

スプレーの説明に加熱の指示が無いまま温風を当てると、溶剤が乾ききる前に熱がかかり、ムラの原因になることがあります。

スプレーの容器に書かれた乾燥方法を優先してください。

よくある質問

洗わずにドライヤーだけ当ててもいいですか

おすすめしません。

汚れが残ったままでは撥水成分の構造が起き上がらず、熱で皮脂が生地に定着することもあります。

先に洗ってから温風を当ててください。

乾燥機やアイロンでも撥水は戻りますか

洗濯表示で認められていれば戻ることがあります。

アイロンは当て布をして、記号の点の数に合った温度を守ってください。

乾燥機は表示でタンブル乾燥が許可されている場合だけ使えます。

どのくらいの頻度でドライヤーを当てればいいですか

決まった回数はなく、水が玉にならなくなったときが目安です。着る頻度や雨の強さで撥水の持ちは変わるため、製品によって異なります。

塩化ビニルのカッパの撥水を戻す方法はありますか

塩化ビニルは生地そのものが水を通さないため、撥水加工を前提にしていないものがほとんどです。熱は使わず、汚れを拭き取って陰干ししてください。

まとめ

ドライヤーで撥水が戻るのは、ナイロンやポリエステルの表地に撥水加工があり、洗濯表示で熱が認められていて、撥水成分がまだ残っているレインコートです。塩化ビニル製や、すれて撥水成分が削れた生地は温めても戻りません。

通勤用のコーティングタイプは弱めの温風で短く、アウトドア用のメンブレンタイプは山行ごとに洗って温め、子ども用の塩化ビニル製は拭いて陰干しするだけにしてください。

どのタイプでも、洗ってから、手のひらで熱くない距離で、縫い目に温風を止めずに当てる手順は変わりません。

ぜひ本記事の手順を参考に、手持ちのレインコートの洗濯表示を確かめてから撥水を戻してください。

あなたへのおすすめ