SHARE:

合成皮革の防水スプレーはどれを選ぶ?本革との違いと注意点

合皮のスニーカーにシリコン系の防水スプレーを吹いたら、乾いたあとに表面へ白っぽいムラが残った。

合成皮革でよく起きる失敗です。

合成皮革用の防水スプレーは、成分がフッ素系かシリコン系か、そして缶の対応素材に「合成皮革」と書かれているかで、ほぼ選び方が決まります。

合成皮革は、布の上に樹脂の膜を貼った素材です。

表面そのものは水をあまり吸わないため、本革と同じ理由でスプレーを選ぶと目的がずれます。

水が入ってくるのは縫い目や端の布地で、スプレーが守るのもおもにその部分と、表面に付く汚れです。

本記事では、縫い目からの浸水を防ぐ吹き方と、合成皮革にシリコン系を選んでよい場面を解説します。

なんでも防水したい編集部

「なんでも防水したい」は、身の回りのアイテムを 水濡れトラブルから守るアイデアを発信するメディアです。 防水スマホケース、防水バッグ、防水ガジェット、防水スプレーまで、 シーン別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

合成皮革に防水スプレーをかけても濡れるのはなぜ?

合成皮革の靴やバッグが濡れるとき、水はたいてい表面の樹脂からではなく、縫い目の針穴や、裏地・芯材がのぞく切り口から入っています。樹脂の膜は水を通しにくい一方で、縫製の部分は針で穴を開けた状態のままなので、雨が当たり続けるとそこから布地へ染みていきます。

もう一つの誤解は、防水スプレーという名前です。

市販の防水スプレーの多くは、繊維や表面に水をはじく成分を付着させる撥水タイプで、水の侵入を構造的にふさぐものではありません。

撥水は水滴を転がして落とすだけなので、水たまりに踏み込んだり、長時間圧力がかかったりすると浸水は防げません。

そのため合成皮革に吹く目的は、表面を「防水にする」ことではなく、縫い目と布地の露出部分に水を留まらせないこと、そして泥や皮脂の汚れを付きにくくすることにあります。この前提を外すと、表面にだけ厚く吹いて縫い目が手薄になり、「吹いたのに濡れた」という結果になります。

合成皮革用防水スプレーの選び方

合成皮革向けに見るべき点は4つあります。最初の1つで失敗の大半が防げます。

対応素材に「合成皮革」と書かれているか

缶の裏の使用できる素材の欄を、まず確認してください。

合成皮革の樹脂は、スプレーに含まれる溶剤との相性によって、白く曇る・ベタつく・表面がはがれるといった変化を起こすことがあります。

「合成皮革可」と明記されていない製品は、メーカーがその素材での使用を想定していないと受け取るのが安全です。

反対に「使用できない素材」の欄に合成皮革が入っている製品もあるので、両方の欄を読んでください。

成分がフッ素系かシリコン系か

フッ素系は、表面に薄く付着して水と油の両方をはじく成分です。

膜を厚く作らないので見た目が変わりにくく、汚れ防止も兼ねられます。

シリコン系は水をはじく力が強い反面、表面に膜を作るため、ツヤが出たりムラが残ったりしやすくなります。

合成皮革の見た目を変えたくないならフッ素系、雨の中での撥水を優先するならシリコン系、と考えてください。

保革成分が入っていないか

本革用のスプレーには、油分やワックスなど革に栄養を与える成分を含むものがあります。

合成皮革はこれを吸い込まないので、成分が表面に残ってベタつきやシミの原因になります。

「保革」「栄養」と書かれた製品は、合成皮革用としては外して考えてください。

容量と用途が合っているか

靴1足やカードケース程度なら小容量で足ります。

合皮のジャケットなど衣類や、大きなバッグに使うなら、1回で吹く面積が広いので大容量のほうが途中で切らさずに済みます。

防水スプレーは使い続けるうちに噴射が弱くなる製品もあるため、使う量に見合った容量を選ぶのが無駄のない方法です。

本革と合成皮革で防水スプレーの効果はどう違う?

本革は水を吸う素材です。

繊維の間に水が入るとシミや型崩れが起き、乾く過程で油分が抜けて硬くなります。

そのため本革用のスプレーは、通気性を残しながら水の吸い込みを抑えることと、必要に応じて油分を補うことが求められます。

合成皮革は表面が樹脂なので、水をほとんど吸いません。

スプレーの役割は縫い目と汚れの対策に寄り、油分の補給は不要です。

同じ「革靴用」と書かれた缶でも、本革を前提にしたものを合成皮革に吹くと、成分が染み込まずに表面へ残ります。

見た目が似ていても、手入れの考え方は別物です。本革と合成皮革の違いをさらに詳しく知りたい場合は、本革と合成皮革で変わる防水スプレーの効果で解説しています。

防水スプレーの種類と合成皮革との相性

合成皮革に使う前提で、成分ごとの違いを並べると次のようになります。個別の製品によって配合は異なるため、最終的には缶の表示で確認してください。

タイプ防水の仕組み向いている場面弱点
フッ素系表面に薄く付着し、水と油をはじく撥水見た目を変えたくない靴・バッグ、汚れ防止撥水の強さはシリコン系に及ばないことが多い
シリコン系表面に膜を作り、水をはじく撥水雨に当たる時間が長い靴、アウトドア用品ツヤやムラが出やすく、油汚れは防ぎにくい
フッ素・シリコン混合両方の成分で撥水撥水と汚れ防止を1本で済ませたい場合膜ができる分、見た目の変化は試し吹きで確認が必要
保革成分入り(本革向け)撥水成分に油分・ワックスを配合本革の靴・財布合成皮革では吸い込まれず、ベタつきやシミの原因になる

表を見ると、合成皮革で迷ったときの基準はフッ素系になります。シリコン系は撥水の強さが必要な場面に限って選ぶ、という順番で考えると失敗が少なくなります。

合成皮革の用途別に防水スプレーを絞り込む

通勤用の合皮の革靴

見た目のツヤやムラが目立つ場面なので、フッ素系を優先してください。

雨の日に濡れやすいのはつま先の縫い目とコバ(靴底と甲の境目)なので、そこを重点的に吹きます。

革靴に撥水スプレーを使うかどうかの判断は、素材ごとに分けた革靴の撥水スプレーの選び方で解説しています。

合皮のバッグ・財布

手で触れる時間が長く、皮脂や手垢の汚れが付きやすい品目です。

油もはじくフッ素系が合います。

財布のように小さいものは、縫い目と角だけに吹けば十分です。

本革の財布と比べたい場合は、油分の有無で選ぶ革財布用防水スプレーも参考になります。

合皮のジャケットなど衣類

衣類は面積が広く、体を動かすと縫い目に負担がかかります。

対応素材の欄に衣類と合成皮革の両方が書かれた製品を選び、大容量で全体にムラなく吹いてください。

裏地や袖口のナイロン部分にもかかるなら、ナイロン素材に防水スプレーを使うときの注意も確認しておくと安心です。

合成皮革への防水スプレーの使い方とシミを防ぐコツ

最初に、目立たない場所で試し吹きをしてください。

靴なら内側のかかと付近、バッグなら底面が向いています。

乾いたあとに白い曇りやベタつきが出ていなければ、全体に吹いて問題ありません。

吹く前には、表面の汚れとほこりを乾いた布で落とします。汚れの上から吹くと、汚れごと撥水成分で固まり、あとから落としにくいシミになります。

吹くときは、缶に書かれた距離を守って、一か所に集中させず全体を薄く往復させてください。

近づけすぎたり一度に多く吹いたりすると、液だれがそのままムラとして残ります。

表面より縫い目を意識して、針穴に沿うように吹くのがコツです。

作業は風通しのよい屋外で行い、吸い込まないよう注意してください。乾燥時間は製品の表示に従い、乾くまで履いたり持ち歩いたりしないことが、撥水の効果を引き出す条件になります。

合成皮革の防水スプレーで後悔しやすい点

いちばん多いのは、スプレーで合成皮革の劣化まで防げると考えてしまうことです。

ポリウレタンを使った合成皮革は、空気中の湿気と時間によって樹脂が分解する加水分解(かすいぶんかい)を起こし、やがて表面がひび割れたりはがれたりします。

これは素材そのものの寿命で、防水スプレーでは止められません。

次に、撥水が落ちても気づかない点があります。撥水成分は摩擦や雨で少しずつ取れていくため、水滴が丸く転がらず、表面に広がるようになったら吹き直しの合図です。

シリコン系を吹いたあとにツヤが変わり、元に戻らないという後悔もあります。

シリコンの膜は拭いても簡単には落ちないので、見た目を重視する品ほど試し吹きを省かないでください。

合成スエードのような起毛した合成皮革は表面の扱いが別なので、起毛素材を傷めないスエード用防水スプレーの条件で確認してから選んでください。

よくある質問

合成皮革に本革用の防水スプレーを使ってもいいですか?

缶の対応素材に合成皮革が含まれていれば使えます。保革成分入りで合成皮革の記載がない製品は、表面にベタつきやシミが残るおそれがあるので避けてください。

合成皮革にシリコン系の防水スプレーは使えませんか?

対応素材に合成皮革と書かれていれば使えます。ただしツヤやムラが出やすいので、雨の中で使う時間が長く、見た目よりも撥水を優先したい品に限るのが無難です。

合成皮革は水をはじくのに防水スプレーは必要ですか?

雨の日に使うなら必要です。

表面は水を吸いにくくても、縫い目や布地の露出部分からは染みてくるので、そこを守る目的で吹いてください。

汚れ防止にも役立ちます。

どのくらいの頻度で吹き直せばいいですか?

水滴が丸く転がらなくなったときが目安です。使う頻度や雨に当たる回数で落ち方が変わるため、製品の表示とあわせて表面の状態で判断してください。

まとめ

合成皮革の防水スプレーは、対応素材に「合成皮革」と書かれているか、成分がフッ素系かシリコン系か、保革成分が入っていないかの3点で選べます。表面は水を吸いにくいので、守るべきは縫い目と布地の露出部分、そして表面の汚れです。

通勤用の合皮の革靴やバッグにはフッ素系、雨に長く当たる靴にはシリコン系、合皮のジャケットには衣類にも対応した大容量の製品が合います。どれを選ぶ場合も、目立たない場所での試し吹きは省かないでください。

ぜひ本記事の選び方を参考に、手持ちの合成皮革に合う1本を缶の表示から選んでください。

あなたへのおすすめ