SHARE:

防水スプレーのヌバック用はどれを選ぶ?毛並みで変わる仕上がり

ヌバックの靴にシリコン系の防水スプレーを吹いたら、乾いたあと表面の毛が寝て、つま先だけ色がひと段濃くなっていた。ヌバック用の防水スプレーは、成分がフッ素系かシリコン系かでほぼ決まり、起毛の手ざわりを残したいならフッ素系が基本になります。

ヌバックは革の表面を細かく削って毛羽立たせた素材で、毛足に膜がかぶさると見た目も手ざわりも変わります。フッ素系は繊維の一本一本を包むように付くので毛並みが立ったまま残りやすく、シリコン系は表面に膜を作るぶん水をはじく力は強いものの、起毛がまとまって固くなることがあります。

本記事では、吹く前に毛並みを起こすブラッシングと、かかとの内側で色の変化を確かめる試し吹きの手順を解説します。

なんでも防水したい編集部

「なんでも防水したい」は、身の回りのアイテムを 水濡れトラブルから守るアイデアを発信するメディアです。 防水スマホケース、防水バッグ、防水ガジェット、防水スプレーまで、 シーン別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

ヌバックに防水スプレーを吹いても濡れるのはなぜか

防水スプレーと呼ばれる製品の多くは、実際には革や布の表面に撥水の層を作るものです。

水を玉にしてはじく働きなので、水たまりに長く浸かったり水圧がかかり続けたりすれば、革の内側まで水は届きます。

「防水スプレーを吹いたのに濡れた」という失敗の大半は、撥水を防水と取り違えたところから起きています。

ヌバックでは、もう一つ起毛特有の事情が加わります。

毛足のすき間に砂ぼこりや皮脂が詰まったまま吹くと、成分は汚れの上に乗るだけで繊維そのものまで届きません。

見た目には全体に吹けていても、撥水の層はまだらになっていて、歩くたびに汚れと一緒に落ちていきます。

さらに、縫い目の針穴やソールとの接着部分は、撥水の層だけではふさぎきれません。

甲の革が水をはじいていても、靴の中が湿るのはたいていこの継ぎ目からです。

ヌバックの靴に防水スプレーを使うなら、表面の水しぶきや小雨をはじいてシミや汚れを防ぐ道具だと位置づけ、浸水そのものを止めるものとは考えないでください。

ヌバック用防水スプレーを選ぶときの3つの基準

成分はフッ素系かシリコン系か

最初に決まるのは成分です。

フッ素系は繊維を薄く包むので通気性を損ないにくく、起毛の風合いが残りやすいのが特徴です。

シリコン系は表面に皮膜を作り、水をはじく力は強く出ますが、毛足が寝たり色が濃く見えたりすることがあります。

ヌバックの手ざわりを大事にするなら、缶の成分表示でフッ素系かどうかを確かめてください。

対応素材の表示にヌバック・起毛革があるか

防水スプレーの缶には、使える素材と使えない素材が書かれています。

「スエード・ヌバック」「起毛革」が使える側に入っているかを見てください。

革靴全般に使えると書いてあっても、起毛革が除外されている製品もあります。

衣類や傘と兼用のタイプは便利ですが、靴に使うなら起毛革の表示を優先して判断します。

汚れ防止の働きと容量

フッ素系には水だけでなく油もはじく性質があり、ヌバックで目立ちやすい皮脂や食べこぼしの汚れを付きにくくする効果があります。

汚れ防止をうたうかどうかも見比べる材料になります。

容量は使い道で考え、1足だけなら小さめの缶で足りますが、家族の靴や傘、上着にも吹くなら大きめの缶を選ぶと途中で切らさずに済みます。

素材ごとに強さの出方がどう違うかは、最強クラスと呼ばれる防水スプレーの条件で解説しています。

フッ素系・シリコン系・混合タイプの防水スプレー比較

店頭に並ぶ防水スプレーは、成分で大きく3タイプに分かれます。ヌバックとの相性は、毛並みを残せるかどうかで判断してください。

タイプ防水の仕組み向いている場面弱点
フッ素系繊維を薄く包み、水と油をはじくヌバック・スエードなど起毛革、通気性を残したい靴はじく力はシリコン系より穏やかで、こまめな塗り直しが前提
シリコン系表面に皮膜を作って水をはじく合成皮革やナイロンなど、起毛のない素材起毛が寝る・固まる、色が濃く見えることがある
混合タイプフッ素とシリコンの両方を配合撥水の強さを優先したい、起毛革に使える表示がある製品製品によって配合が異なり、ヌバックへの影響は試し吹きで確かめる必要がある

混合タイプは製品ごとの差が大きく、成分名だけでは仕上がりを判断できません。起毛革に使えると書かれていても、目立たない場所で色と毛並みを確かめてから全体に広げてください。

場面別に選ぶヌバックの防水スプレー

通勤や街歩きで小雨に備える

通勤で履くヌバックの靴は、雨粒や水はねによる輪じみを防げれば十分です。風合いを崩さないフッ素系を選び、雨予報の前日までに吹いて乾かしておくと、朝に慌てずに済みます。

雪や水たまりの多い日、アウトドアで履く

濡れる量が多い日は、撥水の強さを優先したくなります。

それでも起毛革の表示がある製品から選ぶことが前提で、フッ素系を薄く2回に分けて重ねるほうが、毛並みを保ったまま撥水の層を厚くできます。

浸水が心配な場面では、スプレーより靴そのものの防水構造を見直したほうが確実です。

おろしたての新品とヌバックのスニーカー

新品のヌバックは汚れが入っていないので、成分が繊維に均一に付きやすい状態です。

履く前に一度吹いておくと、最初の汚れを防げます。

スニーカーはメッシュやナイロンと組み合わさっていることが多いため、全素材に使えるかを確かめてください。

素材ごとの選び分けはスニーカー用防水スプレーの素材別の違いで解説しています。

ヌバックへの防水スプレーの使い方とコツ

吹く前のブラッシングで仕上がりの大半が決まります。起毛革用のブラシで毛足の奥のほこりをかき出し、毛並みを逆立てるように起こしてから吹くと、成分が繊維の根元まで届きます。

次に、かかとの内側やベロの裏など目立たない場所で試し吹きをして、乾いたあとの色の変化と毛の固さを確かめてください。

問題がなければ、屋外の風通しのよい場所で、缶の表示どおりの距離から全体に薄く吹きます。

一か所に集中して濡れるほど吹くと、そこだけ色が濃くなりシミのように残るので、全体を同じ量でなでるように動かすのがコツです。

吹いたあとは表示の時間を目安に自然乾燥させ、乾いてから再びブラシで毛を起こすと、寝た毛足が戻ります。

撥水を強めたいときは、一度乾かしてから薄く重ねてください。

噴霧したガスや成分を吸い込まないよう、室内や閉め切った玄関では吹かないことも大切です。

塗り直しの間隔は靴の防水スプレーの使用頻度の目安で解説しています。

ヌバックで後悔しやすい色・毛並み・シミの問題

多いのは色の変化です。

明るいベージュやグレーのヌバックは、スプレーの成分でわずかに濃く見えることがあり、試し吹きを飛ばして全体に吹くと元に戻せません。

淡い色ほど試し吹きを省かないでください。

毛並みが固まるのも、起毛革ならではの失敗です。

シリコン系を厚く吹いたり、乾く前に触ったりすると、毛足が束になって手ざわりがざらつきます。

乾いたあとのブラッシングで戻ることもありますが、膜が厚く残ると完全には戻りません。

撥水の効果は歩くうちに少しずつ落ちていき、とくにつま先や屈曲する甲の部分は早く薄くなります。

一度吹けば長く持つと考えず、水をはじかなくなってきたら塗り直してください。

また、雨で濡れたあとにドライヤーや直射日光で急に乾かすと、革が硬くなり濡れた範囲の境目が輪じみとして残りやすくなります。

濡れたら新聞紙を詰めて陰干しにし、乾いてから毛並みを整えます。

よくある質問

スエード用の防水スプレーはヌバックにも使えますか?

缶の対応素材に「スエード・ヌバック」と並んで書かれていれば使えます。

どちらも起毛革で、フッ素系が向いている点も同じです。

スエード専用と書かれている場合は、ヌバックが含まれているかを表示で確かめてください。

新品のヌバックの靴にも吹いたほうがいいですか?

吹いておくと汚れやシミを防ぎやすくなります。汚れが入る前のほうが成分が均一に付くので、履きおろす前に試し吹きをしてから全体に薄く吹いてください。

シリコン系しか手元にないときはどうすればいいですか?

缶に起毛革に使えると書かれていなければ、ヌバックには使わないほうが無難です。使えると書かれていても毛並みや色が変わることがあるので、目立たない場所で試し、乾いてから仕上がりを見て判断してください。

服用の防水スプレーを靴に使ってもいいですか?

対応素材に起毛革が入っているかで決まります。

衣類と革の両方に使えるタイプもありますが、衣類専用の製品は革への影響が確かめられていません。

上着に使う場合の選び方は生地素材で変わる服用防水スプレーの選び方で解説しています。

まとめ

ヌバック用の防水スプレーは、毛並みを残せるフッ素系を軸に、対応素材の表示に起毛革があるか、汚れ防止の働きと容量が使い道に合うかで選びます。防水スプレーは撥水の層を作るもので、縫い目や接着部からの浸水までは止められないことも前提に置いてください。

通勤の小雨対策ならフッ素系を前日に吹いておき、雪や水たまりの多い日は起毛革対応のものを薄く重ね、新品はおろす前にひと吹きしておくと安心です。

どの場面でも、ブラッシングと試し吹きを省かないことが色ムラと毛の固まりを防ぎます。

ぜひ本記事の選び方と吹き方を参考に、手元のヌバックの靴に合う一本を選んでください。

あなたへのおすすめ