透明防水塗料はなぜ選び方を誤るとよくないのか|劣化の違い
透明防水塗料を塗ったはずのブロック塀が、翌年の雨でまた濃い色に濡れていた。
透明防水塗料には、表面に樹脂の膜を張る造膜型と、素材の内側に染み込ませる浸透型の2タイプがあります。
どちらを選ぶかで、守れる範囲も劣化の出方も大きく変わります。
造膜型は、傷んでくると白い濁りやはがれとして目に見えます。
浸透型は見た目がほとんど変わらないまま水をはじかなくなるため、気付いたときには染み込みが戻っていることがあります。
透明なので、色付きの塗料と違って傷み具合が分かりにくいという弱点はどちらにも共通です。
本記事では、霧吹きひとつでできる劣化の見分け方と、塗る素材ごとのタイプの選び分けを解説します。

なんでも防水したい編集部
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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
透明防水塗料で「塗ったのに濡れた」が起きる原因
多くの場合、塗料が悪いのではなく、下地の状態と塗料の仕組みが合っていません。
浸透型の多くは、素材の細かい穴の内側で水をはじく仕組みです。
表面に膜を作らないので、目で見えるひび割れはそのまま残ります。
雨水はそのすき間から入り込み、塗った面の奥へ回ります。
実態としては「防水」より「撥水(はっすい)」、つまり水をはじいて吸い込みを減らす働きに近いと考えてください。
浸透型の中には、メーカーが「吸水防止」と表記している製品もあります。
一方の造膜型は、表面を樹脂の膜でふさぐので、細かいすき間までは覆えます。
ただし下地に水分が残った状態で塗ると、内側から押し上げられて膜が浮き、そこから水が入ります。
膜より幅の広いひびが動けば、膜ごと割れることもあります。
どちらのタイプでも、塗る前にひび割れの有無と下地の乾き具合を確かめておけば、この失敗の大半は防げます。ひびが目立つ面に浸透型だけを塗っても、雨水の入り口は残ったままです。
透明防水塗料を選ぶ4つの軸
膜を作るか、染み込ませるか
最初に決めるのは造膜型か浸透型かです。
表面をしっかりふさぎたいなら造膜型、素材の質感をそのまま残して吸水だけを抑えたいなら浸透型を選びます。
造膜型は塗るとつやが出る製品が多く、浸透型は塗る前とほとんど見た目が変わりません。
塗る素材が水を吸うかどうか
浸透型は、コンクリート・ブロック・レンガ・素焼きの鉢のように水を吸う素材にしか入り込めません。
金属やガラス、すでに塗装された面には染み込まず、表面に残って拭き取られるだけです。
吸わない素材なら、対応素材にその素材が書かれた造膜型を選んでください。
水性か溶剤か
水性は臭いが少なく、塗った道具を水で洗える製品が多いので、窓の近くや人の出入りがある場所で扱いやすいタイプです。
溶剤タイプは臭いが強く火気にも注意が要りますが、屋外向けとして耐候性を打ち出した製品が見られます。
色付きのペンキとの違いは屋外と屋内で変わる防水ペンキの選び分けで解説しています。
屋外で紫外線を受けるかどうか
透明な塗料は、色付きの塗料のように顔料で光をさえぎりません。
日差しを受ける場所では樹脂そのものが劣化しやすく、木部なら塗料の下で木の色が日焼けしていきます。
日当たりのよい屋外に塗るなら、屋外用・耐候性の表記がある製品に絞ってください。
造膜型と浸透型で劣化の現れ方はどう違う?
造膜型の劣化は目で追えます。
表面が白く濁る、つやが消える、端からめくれてくる、といった変化が出てきたら膜が傷んでいる合図です。
塗り直すときは、浮いた膜をはがしてからでないと新しい塗料が密着しないので、作業量は増えます。
浸透型は見た目がほぼ変わらないので、水をかけて確かめるしかありません。
霧吹きで水を吹き、表面に水の玉ができて転がるなら、まだ撥水が残っています。
吹いたところがすぐ濃い色に変わって染みていくなら、塗り直しを考える時期です。
表面に膜がないぶん、汚れを洗い落として乾かせば上から重ねやすい製品が多く、塗り直しの手間は造膜型より軽く済みます。
持ちの年数はメーカーや塗る場所によって異なり、一律には言えません。製品に表示された目安を基準にしつつ、年に一度は霧吹きで状態を見ておくと、気付かないうちに染み込みが戻っているのを避けられます。
透明防水塗料のタイプ別比較表
| タイプ | 防水の仕組み | 向いている場面 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 造膜型(水性) | 表面に樹脂の膜を作ってふさぐ | 屋内に近い場所、臭いを抑えたい作業 | 濡れた下地では膜が浮く/白い濁りが出ることがある |
| 造膜型(溶剤) | 表面に樹脂の膜を作ってふさぐ | 屋外の置物や看板など水を吸わない素材 | 臭いが強く火気に注意/塗り直しで旧い膜の除去が要る |
| 浸透型 | 素材の内側に染み込んで水をはじく | コンクリート・ブロック・レンガの吸水を抑えたいとき | ひび割れはふさがない/水を吸わない素材には入らない |
| 撥水スプレー(参考) | 表面に薄く付着して水をはじく | 布や小物の一時的な水よけ | 浸水は防げない/雨や摩擦で落ちやすい |
撥水スプレーは塗料ではありませんが、売り場で並んでいることがあるため比較に入れています。屋外の面を長く守る用途には向きません。
素材と場所で決める透明防水塗料の絞り込み
コンクリートやブロック塀
見た目を変えずに吸水だけを抑えたいなら、浸透型を選んでください。
目立つひびがあるときは、先に補修材でふさいでから塗ります。
表面をつやのある仕上がりにしたい場合に限り、コンクリート対応の造膜型が候補になります。
木製のウッドデッキや屋外の棚
木は湿気で伸び縮みするため、硬い膜は割れやすくなります。木部用と明記された製品を選び、日が当たる場所なら屋外用・耐候性の表記を優先してください。
屋外に置く小物や看板
金属や塗装済みの面は水を吸わないので、浸透型は使えません。対応素材が合う造膜型を選び、角や縁は特に丁寧に塗ります。
透明防水塗料と防水シートはどう使い分ける?
塗料は一度塗れば面そのものが水を通しにくくなりますが、乾くまで時間がかかり、塗った場所から動かせません。防水シートは、かぶせればすぐに雨をよけられ、外せば元どおりになります。
動かさない壁や床を長く守るなら塗料、資材や家具を一時的に雨から守るならシート、と考えれば迷いません。
塗装作業の途中で雨が来そうなときも、乾ききっていない面をシートで覆っておくと塗膜を守れます。
屋外で使うシートは厚みとハトメの数で耐久性が変わり、その見方は防水ブルーシートの厚みとハトメ数の選び方で解説しています。
塗ったあとに後悔しやすい透明防水塗料の扱い
養生シートを省いて周りに付く
透明な塗料は、垂れや飛び散りが乾くまで目立ちません。
気付いたときにはサッシやガラスに固まっていて、きれいに取れないことがあります。
塗らない面は養生シートとマスキングテープで先に覆っておいてください。
残った缶の収納場所を誤る
ふたの縁に付いた塗料を拭いてから、しっかり閉めて収納します。
直射日光が当たる物置は夏に高温になり、水性の製品は冬に凍ると使えなくなるものがあるため、缶の表示にある保管条件に合う場所を選んでください。
溶剤タイプは火気から離して置きます。
乾ききる前に雨に当てる
乾燥時間の途中で雨が当たると、膜にむらができたり、染み込みが浅くなったりします。製品に書かれた乾燥時間と、その間の天気予報を合わせて確かめてから塗り始めてください。
よくある質問
透明防水塗料と撥水スプレーは何が違いますか
撥水スプレーは表面に薄く付いて水をはじくだけで、雨や摩擦で落ちやすく、浸水は防げません。透明防水塗料は膜を作るか素材に染み込むことで、屋外の面を長く守る前提の製品です。
色付きの塗装面の上に塗れますか
浸透型は塗装面に染み込まないため使えません。造膜型でも、塗装面への上塗りに対応しているかは製品ごとに異なるので、対応素材の欄で確かめてください。
塗り直しの時期はどう判断しますか
造膜型は白い濁りやはがれが出たときです。浸透型は霧吹きで水を吹き、玉にならずに染みていくようになったら塗り直しを考えてください。
まとめ
透明防水塗料は、膜を作る造膜型か、染み込ませる浸透型かでまず分かれます。そのうえで、塗る素材が水を吸うか、水性か溶剤か、日差しを受けるかを確かめれば、候補はかなり絞れます。
コンクリートやブロック塀の吸水を抑えるなら浸透型、水を吸わない小物や看板には対応素材の合う造膜型、木部には木部用の表記がある製品が向いています。劣化は、造膜型なら見た目で、浸透型なら霧吹きの水で確かめてください。
ぜひ本記事の4つの軸を参考に、塗る面に合った透明防水塗料を選んでください。



