防水スポットライトの選び方|屋外設置で見るIP等級の違い
大雨のあと、花壇に挿したIPX4のスポットライトが水たまりに沈んだまま点かなくなっていました。
IPX4が試験しているのは「あらゆる方向からの飛まつ(水しぶき)」までで、水に浸かる状態は試験の対象に入っていません。
屋外のスポットライト選びは、設置場所で水が「しぶき」「噴流」「水没」のどの形でかかるかを先に決め、それに合うIPの防水等級を選べばほぼ決まります。
IPの防水等級は、数字が大きいほど何にでも強いという並びになっていません。IPX7は水に沈める試験で、ノズルから水を当てるIPX5の試験とは中身が別物なので、両方に耐える製品は「IPX5/IPX7」のように併記されます。
本記事では、IPX4からIPX7までの試験条件と、軒下・地面・水辺ごとに確かめたい表記を解説します。

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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
防水スポットライトが雨で壊れる原因は等級と水のかかり方のずれ
防水と書かれたスポットライトが故障するとき、表記そのものが誤っていることはあまりありません。多くの場合、製品が試験された水のかかり方と、実際の設置場所で起きる水のかかり方が一致していないのです。
JIS C 0920(IEC 60529と一致する規格)では、防水等級ごとに試験の中身がはっきり分かれています。
IPX4はしぶき、IPX5とIPX6はノズルからの噴流水、IPX7は一時的に水中へ沈める試験です。
上位の数字が下位を包み込む関係ではないため、IPX7の製品が強い噴流水にも耐えるとは限りません。
反対に、IPX6の製品を水たまりに沈めてよいという意味にもなりません。
試験は常温の真水で行われるので、海水や湯、石けん水、水圧をかけたシャワーは条件の外にあります。
また等級は新品を試験条件で確かめた値で、パッキンの劣化や落下による変形があれば下がっていきます。
表記の数字は「この形の水には、新品のうちは耐える」という意味として読んでください。
IPX4の「X」についても誤解が起きがちです。Xはその項目を試験していない、または表示していないという意味で、防じん性能がゼロという意味ではありません。
スポットライトの防水等級を読むときに見る4つの点
2桁目の数字を設置場所の水に合わせる
IP68のような2桁表記は、1桁目が防じん、2桁目が防水を表します。
最初に見るのは2桁目で、ここが設置場所で起きる水の形と合っているかを確かめます。
雨だれやしぶきならIPX4、ホースで水が直接当たる場所ならIPX5やIPX6、水に浸かる可能性があるならIPX7が試験内容に近い条件です。
1桁目の防じん等級は地面置きで差が出る
地面に挿すタイプや花壇の中に置くタイプは、土ぼこりや砂をかぶります。
1桁目が5なら「防じん形」で、動作や安全性を妨げる量のじんあいが入らないことを求めています。
6は「耐じん形」で、じんあいの侵入そのものがあってはならないという、より厳しい条件です。
「IPX5/IPX7」のような併記があるか
水没と噴流水の両方が起こりうる場所なら、どちらの等級も表記されている製品を選んでください。IPX7だけの表記では、噴流水の試験を通っているかは仕様からは分かりません。
「生活防水」「完全防水」だけの表記は数字を探す
「生活防水」は規格用語ではなく、明確な定義がないメーカー独自の表現です。
「完全防水」も同じく規格用語ではありません。
こうした言葉だけが書かれていて、IP表記が見つからない場合は、メーカーにどの等級に相当するかを問い合わせてから判断してください。
IP等級別に見た屋外スポットライトの比較
製品の形よりも、どの試験を通っているかでタイプを分けたほうが選びやすくなります。試験条件はJIS C 0920に基づく内容です。
| タイプ | 防水の仕組み(試験の内容) | 向いている場面 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| IPX4 | あらゆる方向からの飛まつ。揺動管方式(約10L/min・10分)と噴霧ノズル方式の2種類がある | 軒下・ひさしの下の壁面 | 噴流水や水没は対象外 |
| IPX5 | 内径6.3mmのノズルで12.5L/minを2.5〜3mから最低3分 | 雨が直接当たる庭木の下、ホースの水がかかる場所 | 水没は対象外 |
| IPX6 | 内径12.5mmのノズルで100L/minを2.5〜3mから最低3分 | 強い雨が吹きつける開けた場所 | 水没は対象外 |
| IPX7 | 水深1m(外郭高さ850mm未満の場合)に30分間浸す | 雨のあと水が溜まりやすい地面 | 噴流水の試験は含まない。常時水中は継続的潜水のIPX8の領域 |
| IPX5/IPX7などの併記 | 噴流水と一時的潜水の両方の試験 | 水たまりとホースの水の両方が起こる花壇 | 表記が併記でない製品とは区別して確認が要る |
IPX4の試験は方式によって所要時間が異なるため、「IPX4は何分耐える」と一つの数字で比べることはできません。
設置場所別に見るスポットライトの防水の目安
軒下・壁面に取り付ける
ひさしで雨が直接当たらない場所でも、風のある日はしぶきが回り込みます。
あらゆる方向からの飛まつを試験しているIPX4が、最低限の条件として考えやすい等級です。
ただし軒の出が浅く雨が正面から当たるなら、噴流水まで試験したIPX5以上を選んでください。
庭の地面・花壇に挿す
雨が直接当たり、水やりのホースの水も浴び、大雨では水たまりに沈むことがあります。
この三つが重なる場所なので、IPX5/IPX7のような併記がある製品を優先してください。
土ぼこりをかぶるため、1桁目は5か6が付いていると安心です。
池や水辺の近くに置く
一時的に水をかぶる程度ならIPX7が対象ですが、IPX7は水深1mで30分という一時的潜水の試験です。照明を常に水中に沈めておく使い方は継続的潜水にあたり、IPX8やIP68と表記された製品を選ぶことになります。
スポットライトの電源まわり・シート・収納で見落としやすい点
接続部は本体と別に防水等級を確かめる
本体がIPX6でも、電源プラグやコンセント、延長コードの継ぎ目が同じ等級とは限りません。
浸水は本体よりも接続部から起きることが多いので、屋外コンセントや点灯を切り替えるスイッチにも、設置場所に合った防水等級が要ります。
壁に付けるスイッチの選び方は屋外に付けるスイッチの防水等級の目安で、点灯時間を自動にする場合は屋外で使うタイマーのIP等級の選び方で解説しています。
シートで覆っても防水等級にはならない
接続部をビニールシートやテープで巻く対策は、試験を通した構造ではないため、IPの防水等級の代わりにはなりません。
シートの内側に結露や雨水が溜まると、かえって接続部が濡れたままになります。
庭仕事の間に資材をまとめて覆うといった、照明以外の用途で使うシートは厚みとハトメ数で選ぶ防水ブルーシートで解説しています。
取り外して収納するときはパッキンを見る
イベントの時期だけ使うスポットライトは、使わない期間に取り外して収納することがあります。
再び設置するときには、パッキンのひび割れやずれ、本体の変形がないかを確かめてください。
防水等級は新品時の値なので、パッキンが傷んでいれば表記どおりの性能は期待できません。
防水スポットライトを買ってから後悔しやすい点
まず多いのが、水のかかり方を一つしか想定していなかったケースです。
軒下用にIPX4を選んだあと、庭の地面へ移して水たまりに沈めてしまう、といったずれが起きます。
設置場所を変えるなら、その場所の水に合う等級を改めて確かめてください。
次に海の近くでの使用があります。
試験は常温の真水で行われるため、潮風や海水がかかる環境は試験条件に含まれていません。
塩分を含む水がかかる場所では、メーカーが海辺での使用を案内しているかを確かめてから選ぶほうが確実です。
落下や強い衝撃も見落とされやすい点です。
脚立から落とした、草刈りの道具が当たったといった変形があると、外郭のすき間から水が入る可能性が高まります。
見た目にゆがみが出たら、防水等級は当てにできないものとして扱ってください。
よくある質問
IPX4のスポットライトは雨に当たっても大丈夫ですか?
雨のしぶき程度なら試験の範囲内です。
IPX4はあらゆる方向からの飛まつに耐える等級で、ノズルからの噴流水や水没は試験していません。
強い雨が正面から当たる場所や水が溜まる地面ではIPX5以上、またはIPX7との併記を選んでください。
IP65とIPX5は何が違いますか?
防水側は同じ5で、ノズルによる噴流水の試験です。
違うのは1桁目で、IP65は耐じん形の6まで試験していますが、IPX5は防じんを試験していないか表示していません。
地面に置くスポットライトなら、防じんまで表記されたIP65のほうが条件を把握しやすくなります。
防水スポットライトを高圧洗浄機で洗ってもよいですか?
メーカーが洗浄方法として案内していない限り、避けてください。IPX6の試験でも、内径12.5mmのノズルで100L/minの水を2.5〜3m離して当てる条件で、至近距離から細く強い水を当てる使い方とは条件が異なります。
IPX7なら池の中に沈めて使えますか?
常に沈めておく使い方には向きません。
IPX7は水深1mに30分間浸す一時的潜水の試験です。
常時水中に置くなら、継続的潜水を表すIPX8やIP68の表記がある製品を選んでください。
まとめ
屋外のスポットライトは、設置場所の水がしぶき・噴流・水没のどれにあたるかを決め、その形に合うIPの防水等級を選ぶのが基本です。等級は上位が下位を包み込まないため、水没と噴流水が両方起こる場所では併記のある製品を選び、地面に置くなら1桁目の防じん等級も確かめてください。
軒下ならIPX4から、雨が直接当たる場所ならIPX5・IPX6、水が溜まる地面ならIPX5/IPX7のような併記、常に水中ならIPX8が目安になります。本体だけでなく接続部やスイッチの防水等級も同じ基準で見ておくと、雨のあとに点かなくなる事態を減らせます。
ぜひ本記事のIP等級の試験条件と設置場所別の目安を参考に、庭や玄関に合う防水スポットライトを選んでください。



