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防水イヤホンは等級だけで選ぶとよくない?IPX表示の盲点

IPX7と表示されたイヤホンなら水に沈めても平気なので、シャワーを浴びながら使っても大丈夫だと考えていた。

等級の数字だけで判断すると、こうした思い違いが起きます。

IPX7は水深1mに30分間沈める試験で、水圧のかかるシャワーや噴流水は試験の対象に入っていません。

防水イヤホン選びは、等級の数字の大きさではなく「水がどう当たるか」と「どんな水か」で決まります。

IPX5は噴流水、IPX7は一時的な潜水というように、等級ごとに試している状況そのものが違うので、上の等級が下の等級を含むわけではありません。

汗や海水、湯は、どの等級でも試験の外にあります。

本記事では、IPX4・IPX5・IPX7の試験条件の違いと、ランニングや雨の通勤でどの表示を優先するかを解説します。

なんでも防水したい編集部

「なんでも防水したい」は、身の回りのアイテムを 水濡れトラブルから守るアイデアを発信するメディアです。 防水スマホケース、防水バッグ、防水ガジェット、防水スプレーまで、 シーン別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

防水イヤホンが「等級どおり」に耐えないのはなぜか

防水等級には、水を浴びせる試験と水に沈める試験の2種類があります。IPX4・IPX5・IPX6は外から水をかける試験、IPX7・IPX8は水中に浸す試験で、同じ「防水」でも確かめている状況がまったく違います。

IPX7のイヤホンは水深1mに30分間浸しても水が入らないことを確かめていますが、ノズルから勢いよく水をかける試験は受けていません。

数字が大きいほど上位という並びではないため、IPX7がIPX5の噴流水に耐える保証はどこにもないのです。

浴びる水と沈める水の両方に耐える必要がある製品は「IPX5/IPX8」のように2つの等級を併記します。

もう一つ見落とされやすいのが「X」の意味です。

IPXの「X」は、その項目を試験していない、あるいは表示していないという意味で、性能がゼロという意味ではありません。

IPX7の「X」は防塵(ぼうじん:砂やほこりの侵入を防ぐこと)の欄で、防塵性能がないと決まったわけではなく、表示されていないだけです。

「防水と書いてあるのに濡れて不調になった」という事態は、使った場面と試験の内容がずれているときにたいてい起きます。等級を見るときは、数字より先に「何の試験か」を確かめてください。

イヤホンの防水性能を見るときの4つの軸

水を浴びるのか、沈めるのか

最初に決めるのは、使う場面で水がどう当たるかです。

IPX4は「あらゆる方向からの水しぶき」に耐える等級で、小雨や軽い水はねを想定していますが、水没は対象外になります。

IPX5はノズル内径6.3mm・毎分12.5Lの噴流水を2.5〜3mの距離から最低3分かける試験なので、強い雨に打たれる場面でも条件が近くなります。

落として水たまりや川に沈める心配があるなら、IPX7以上の潜水の等級を見てください。

汗・海水・湯は試験条件の外

等級の試験は常温の真水で行います。

汗や海水、湯、石けん水は、どの等級でも試験されていない水です。

運動中の汗や海辺での使用を前提にするなら、等級に加えて、メーカーが汗や海水への対応をどう説明しているかを取扱説明書で確かめてください。

使ったあとに真水で流してよいか、拭くだけにするかも製品によって異なります。

防塵の数字があるか

IP68のような2桁表記は、1桁目が防塵、2桁目が防水を表します。

1桁目が6なら「耐じん形」で、じんあいの侵入があってはならない水準、5なら「防じん形」で、動作や安全性を妨げる量のじんあいが入らない水準です。

砂浜やグラウンド、土ぼこりの立つ現場で使うなら、IPXではなく1桁目まで数字が入った表示を選ぶと、防塵性能を等級で比べられます。

新品時の性能が続くとは限らない

防水等級の値は、新品を試験条件のもとで測った性能です。

パッキンが劣化したり、落下で外装が変形したりすると、防水性能は下がります。

毎日のように水や汗にさらす使い方なら、等級に余裕のある製品を選び、外装に割れや隙間が出ていないかをときどき見てください。

等級の詳しい読み方はワイヤレスイヤホンの防水等級表示の読み方で解説しています。

IPX等級別に見る防水イヤホンの比較

同じ防水イヤホンでも、表示される等級によって想定している水の当たり方が違います。JIS C 0920の定義をもとに、等級ごとの違いを並べました。

タイプ防水の仕組み(試験内容)向いている場面弱点
IPX4表示あらゆる方向からの水しぶきに耐えるかを試験小雨の外出、軽い水はね噴流水と水没は対象外
IPX5表示あらゆる方向からのノズルによる噴流水に耐えるかを試験強い雨の中の移動、水がかかる作業水に沈めることは対象外
IPX7表示水深1mに30分間浸して水が入らないかを試験落として水没させる心配がある場面噴流水やシャワーの水圧は対象外
IP68表示耐じん形かつ継続的潜水に耐える等級砂やほこりが多い場所、水辺海水・湯・汗は試験条件の外
併記表示(IPX5/IPX8など)噴流水と潜水の両方の試験に対応雨にも水没にも備えたい場面併記の内容は製品ごとに異なる

表のとおり、どの等級にも対象外の場面があります。IP68でも汗や海水を試験しているわけではないので、水の種類については別に確かめる必要があります。

用途別に絞り込む防水イヤホン

ランニング・ジム

運動中に耳へ流れてくるのは、真水ではなく汗です。

等級では汗への耐性が分からないため、IPX4以上を目安にしつつ、メーカーが汗への対応を明記しているかを優先してください。

走りながら雨に打たれる可能性もあるなら、IPX5のほうが試験条件は実際の場面に近くなります。

運動向けのワイヤレスモデルの選び方は使用シーン別のワイヤレスイヤホン防水の選び方で解説しています。

雨の日の通勤・通学

傘を差していても、横風の雨や車のはねた水はかかります。

水しぶき程度ならIPX4で足りますが、自転車通勤のように雨を正面から受け続けるなら、噴流水を試験しているIPX5を選んでください。

通勤中に駅のホームや道路へ落とす心配があるだけなら、潜水の等級までは求めなくてかまいません。

水辺のアウトドア

川や湖のそばで使うなら、落としたときに沈む前提でIPX7以上を選びます。

砂地やキャンプ場の土ぼこりまで考えるなら、1桁目に防塵の数字が入ったIP68表示が候補になるでしょう。

同じ場面で持ち歩くスマホも水没の危険は変わらないため、防水スマホケースの選び方もあわせて確認しておくと安心です。

「生活防水」「完全防水」と書かれたイヤホンの読み方

「生活防水」は規格用語ではなく、明確な定義がありません。

メーカーが独自に使う表現なので、雨に耐えるのか、手洗いの水はね程度なのかは、製品ごとに中身が違います。

生活防水とだけ書かれたイヤホンは、併記されているIPX等級を探し、等級がなければ取扱説明書で使える場面を確かめてください。

「完全防水」も規格用語ではありません。

どんな水にも耐えるという意味ではなく、多くはIPX7やIPX8のような潜水の等級を指して使われています。

潜水の等級でも噴流水や海水は試験条件の外なので、言葉の印象より等級の中身で判断してください。

水没に強いはずのイヤホンが壊れる理由は完全防水イヤホンが水没で壊れる盲点で解説しています。

あわせて、防水と撥水も分けて考えます。

撥水は水をはじくだけで、浸水は防げません。

外装に撥水加工があっても、防水等級の表示がなければ水の侵入を防ぐ性能は確かめられていないことになります。

Bluetoothイヤホンの防水で後悔しやすい点

イヤホン本体に防水等級があっても、充電ケースまで同じ等級とは限りません。

ケースの防水性能は製品によって異なるので、ケースごと濡れる場所へ持ち出すなら、ケース側の表示も確かめてください。

濡れた状態で充電してよいかも、取扱説明書の記載に従います。

防水性能を優先して選んだ結果、連続再生時間や充電の回数がほかの用途に合わなかったという食い違いも起きます。等級と再生時間は別の性能なので、長時間のランニングや通勤の往復で使うなら、メーカー公表の連続再生時間も同時に比べてください。

買ったあとの劣化にも注意が要ります。

防水等級の値は新品時のもので、パッキンの劣化や落下による変形で下がります。

購入時にIPX7だったイヤホンを何年も水辺で使い続けると、表示どおりの防水性能が残っている保証はありません。

外装の隙間や割れを見つけたら、水のかかる場面での使用は控えたほうがよいでしょう。

よくある質問

IPX4のイヤホンでランニングしても大丈夫ですか

水しぶき程度の雨なら、IPX4の試験条件に近い場面です。ただし汗は真水ではなく試験の対象外なので、メーカーが汗への対応を明記しているかを確認してください。

IPX7のイヤホンをつけて泳げますか

IPX7は水深1mに30分間浸す一時的潜水の試験で、泳ぎ続ける使い方は対象外です。プールの塩素を含む水や海水も常温の真水とは条件が違うため、水泳での使用はメーカーが対応をうたう製品に限ってください。

IPXの「X」は防塵性能がないという意味ですか

違います。

「X」はその項目を試験していない、または表示していないという意味です。

防塵性能を比べたいなら、IP68のように1桁目に数字が入った表示を選んでください。

入浴中にイヤホンを使ってもいいですか

湯や石けん水、水圧のかかるシャワーは、どの等級でも試験条件の外です。

入浴中の使用はメーカーが認めている製品に限ってください。

浴室で使う機器の考え方は浴室テレビの防水を過信しない設置条件で解説しています。

まとめ

防水イヤホンは、等級の数字の大きさではなく、水を浴びるのか沈めるのか、どんな水なのかで選びます。

IPX4は水しぶき、IPX5は噴流水、IPX7は一時的な潜水と、それぞれ試験している状況が違い、上の等級が下を含むわけではありません。

汗・海水・湯はどの等級でも試験の外にあります。

ランニングなら汗への対応を明記した製品、雨の自転車通勤ならIPX5、水辺のアウトドアならIPX7以上か防塵まで表示したIP68が目安になります。ぜひ本記事の等級ごとの試験条件を参考に、自分が使う場面で水がどう当たるかを思い浮かべてから防水イヤホンを選んでください。

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