防水イヤホンの選び方|汗と雨で必要な等級の差
IPX4は、あらゆる方向からの飛まつ(水しぶき)に耐える等級です。
水没は対象外。
ランニング中の汗や小雨で止まらないことを想定した等級で、シャワーや洗面での丸洗いは含まれません。
イヤホンの箱に書かれた「IPX4」「IPX5」「IP68」は、どれも同じ試験の別段階です。数字が1つ上がるだけで、想定している水の当たり方がまるごと変わります。
しかもIPX7はIPX5を含みません。ここを知らずに等級だけで選ぶと、汗には強いのにシャワーで止まる、という組み合わせになります。

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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
防水イヤホンのIPX4・IPX5・IPX7は何を試験した等級か
IPX4からIPX7は、JIS C 0920(IEC 60529と一致)で定義された外郭の保護等級です。IPX4は「あらゆる方向からの飛まつによっても有害な影響を及ぼしてはならない」。
試験は揺動管方式なら約10L/min・10分、噴霧ノズル方式なら表面積1m²あたり1分・最低5分で行います。方式が2種類あるため、所要時間を一つに断定できません。
IPX5は「あらゆる方向からのノズルによる噴流水」。内径6.3mmのノズルから12.5L/min、距離2.5〜3mで最低3分。
水しぶきではなく、勢いのある水が当たる状況です。
IPX7は一時的潜水で、外郭の高さが850mm未満なら水深1mに30分間浸漬します。
いずれも常温の真水での試験です。
汗と雨で防水イヤホンが耐えられる場面・耐えられない場面
IPX4で想定される場面
ランニング中の汗、小雨から中程度の雨、キッチンでの水はねが飛んでくる程度。
飛まつの試験なので、あらゆる方向から水しぶきが当たっても動作を保つことが求められます。
ジムで使う用途なら、ここが実用上の下限です。
IPX4では対象外の場面
蛇口の水を直接当てて洗い流す、シャワーを浴びながら使う、洗面器や浴槽に落とす。どれも飛まつではなく噴流水か潜水で、IPX4の試験条件の外です。
特にシャワーは水圧がかかるため、IPX7でも試験条件に含まれません。お風呂で音楽を鳴らしたいなら、耳に着けるものより湯気の多い浴室で使う防水スピーカーの条件を先に確認したほうが確実です。
防水イヤホンの等級を試験条件で比べる
| 等級 | 試験条件 | 想定される場面 |
|---|---|---|
| IPX4 | 揺動管方式 約10L/min・10分/噴霧ノズル方式 1m²あたり1分・最低5分 | 汗、雨、水はね |
| IPX5 | 内径6.3mmノズル・12.5L/min・距離2.5〜3m・最低3分 | 水道水で流す程度の噴流水 |
| IPX7 | 水深1m(外郭高さ850mm未満)に30分間浸漬 | 水中への一時的な落下 |
注意したいのは、上位が下位を包含しないことです。
IPX7は潜水の試験であり、噴流水に耐えることを意味しません。
両方を確保した製品は「IPX5/IPX8」のように併記されます。
汗と水洗いの両方を求めるなら、単独表記ではなく併記かどうかを見てください。
IPX・IP68・生活防水の表記の読み方
IPXの「X」は、その項目を試験していない(または表示していない)という意味です。
性能がゼロという意味ではありません。
IPX4の場合、防じん側を試験していない、あるいは表示していないだけです。
IP68のような2桁表記では、1桁目が防じん、2桁目が防水を表します。
防じん側は数字ごとに保護する粒径が決まっており、4なら直径1.0mm以上、5は防じん形(動作と安全性を阻害する量のじんあいが侵入しない)、6は耐じん形(じんあいの侵入がない)。
IP68なら耐じん形かつ継続的潜水です。
「生活防水」は規格用語ではなく、明確な定義がありません。
メーカーが独自に使う表現なので、必ずIPの表記を探してください。
腕時計に多い気圧表記もIPとは別系統で、こちらは防水時計の気圧表記の読み方で扱う考え方になります。
等級が高い防水イヤホンでも避けたい水
試験はすべて常温の真水です。
海水、湯、石けん水、水圧のかかるシャワーは条件の外にあります。
汗も真水ではないため、塩分を含んだまま放置すれば端子やメッシュに影響します。
使用後は乾いた布で拭き、充電ケースに戻す前に水気を切るのが基本です。
もう一つ。
等級は新品の、試験条件下での性能です。
パッキンの劣化や落下による外郭のわずかな変形で低下します。
数年使ったIPX7のイヤホンが、買った当日と同じ状態とは限りません。
海やプールで使うなら、イヤホン本体の等級より海とプールで必要な等級から選ぶスマホ防水ケースと同じ発想で、水没させない使い方を組み立てるほうが安全です。
よくある質問
IPX4のイヤホンで雨の日にランニングできますか
IPX4はあらゆる方向からの飛まつに対する等級なので、雨中の使用は想定範囲に入ります。
ただし試験は常温の真水です。
汗と雨が混ざった状態で長時間使ったあとは、水気を拭き取ってから充電してください。
IPX7ならシャワーで使えますか
使えるとは言えません。
IPX7は水深1mに30分間浸漬する一時的潜水の試験で、水圧のかかるシャワーは試験条件に含まれていないためです。
噴流水への耐性はIPX5の領域になります。
「防水」と書いてあるだけの製品はどう判断しますか
IPの等級表記が見つからない場合、どの試験を通ったのか判断できません。
「生活防水」も規格用語ではないので、等級が明記された製品を選ぶのが確実です。
撥水どまりの表記であれば、水をはじくだけで浸水は防げません。
まとめ
汗と小雨だけならIPX4で足ります。
水道で流したいならIPX5、水中に落とす可能性を見込むならIPX7。
そして上位等級が下位を含まないため、両方を求める場合は併記表記を探すことになります。
数字の大小ではなく、試験条件がどの水の当たり方を再現しているかで読んでください。
もう一点だけ。
IPXの「X」は未試験の項目で、性能ゼロではありません。
2桁表記なら1桁目が防じん、2桁目が防水です。
等級は新品・試験条件下の話であり、経年で落ちます。
表記を正しく読んだうえで、海水と湯とシャワーは避ける——この線を引いておけば、選び方で大きく外すことはありません。風呂と防災で条件が変わる防水ラジオの見方も、根っこは同じ考え方です。



