IPX4はどのくらい防水?日常のどこまで耐えられるか
IPX4は、あらゆる方向からの水しぶきを受けても機器が壊れない、という等級です。
上から降る雨だけでなく、横や下から跳ねた水も対象に入ります。
ただし水に沈めることは想定していません。
そのため「雨の中で使えるか」の答えはおおむねイエス、「洗面台に落としたら大丈夫か」の答えはノーになります。境目はどこにあるのか、規格の本文と試験条件から順に見ていきます。

なんでも防水したい編集部
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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
IPX4の定義とJISが定める試験条件
IPX4はJIS C 0920:2003(IEC 60529と一致)で定義された防水保護等級です。
規格上の文言は「あらゆる方向からの飛まつ(水しぶき)によっても有害な影響を及ぼしてはならない」。
ポイントは方向を限定していないことで、真横や斜め下から当たる水も含みます。
試験方法は2種類あります。
ひとつは揺動管方式で、円弧状の管から約10L/minの水を当てながら管を振り、10分間かけて全方向から水しぶきを浴びせます。
もうひとつは噴霧ノズル方式で、供試品の表面積1m²あたり1分、合計で最低5分間の噴霧を行います。
つまり「IPX4は何分の試験か」という問いには一つの答えがありません。
方式によって所要時間が違うためです。
ネット上で見かける「IPX4は10分間の防水」という説明は、揺動管方式だけを指した言い方だと理解しておくと混乱しません。
いずれの方式も、使うのは常温の真水です。
IPX4が日常のどこまで耐えるか
耐えられると考えていい場面
通勤中の雨、洗面所で顔を洗ったときの跳ね返り、キッチンで飛んだ水、汗、霧のような小雨。これらは水しぶきの範囲に収まります。
ランニング中に雨が降ってきてもワイヤレスイヤホンが即座に止まる、といった心配は基本的に不要です。屋外で自転車のハンドルに付けた機器が路面の水を受ける状況も、勢いが強くなければ想定内でしょう。
耐えられない場面
水没はすべて対象外です。
洗面器、浴槽、プール、海、トイレ、水たまりへの落下。
ここは等級が守ってくれません。
もうひとつ見落とされやすいのがシャワーです。
シャワーは水しぶきではなく圧のかかった噴流で、これはIPX5の領域になります。IPX4のスピーカーを浴室に持ち込み、シャワーを直接当てるのは試験条件の外です。
洗濯機で洗う、蛇口の下で丸洗いする、といった扱いも同様に想定されていません。
海水と湯も要注意です。
試験は常温の真水で行うため、塩分を含む水や高温の水、石けん水が入り込む状況は保証の外側にあります。
汗をかいたイヤホンは、水で流すのではなく乾いた布で拭くほうが理にかなっています。
IPX3・IPX5との差を表で比べる
| 等級 | 試験条件 | 想定される場面 |
|---|---|---|
| IPX3 | 散水ノズル 0.07L/min/本、鉛直から両側60度までの角度で噴霧、5〜10分 | 上方向からの雨。真横からの水は対象外 |
| IPX4 | 揺動管方式 約10L/min・10分、または噴霧ノズル方式 1m²あたり1分・最低5分 | あらゆる方向からの水しぶき、跳ね返り、汗 |
| IPX5 | ノズル内径6.3mm・12.5L/min・距離2.5〜3m・最低3分 | ノズルからの噴流水。シャワーや軽い水洗い |
IPX3とIPX4の違いは角度です。IPX3は鉛直から60度以内に限られるため、真横や下から来る水は試験されていません。
IPX4になると角度の制限が外れます。
そしてIPX4とIPX5の違いは、水の勢いです。
防水等級の一覧とIPとIPXの読み分けを押さえておくと、他の等級との位置関係も把握しやすくなります。
IPX4という表記の読み方で誤解しやすい点
まず「X」の意味です。これは防じん性能を試験していない、または表示していないことを示す記号で、ほこりに弱いという意味ではありません。
もし製品にIP44と書かれていたら、1桁目の4が防じん、2桁目の4が防水です。防じん4は直径1.0mm以上の外来固形物に対して保護しているという等級で、防水性能そのものはIPX4と同じ内容を指します。
次に、等級は上位が下位を含みません。
IPX7やIPX8は潜水の試験であり、噴流水に耐えることを示すものではありません。
だから両方が必要な製品では「IPX5/IPX8」のように併記されます。
数字が大きいほど安心とは限らない理由は、この包含関係の話に行き着きます。
そして気圧防水は別系統の表記です。時計に使われる「10気圧防水」はIPX等級とは異なる基準で、IPX4の延長線上にはありません。
泳げる時計の見分け方は別の記事で扱っています。
もうひとつ、「生活防水」は規格用語ではなく明確な定義がありません。
生活防水という表記の曖昧さを知っておくと、パッケージの言葉に振り回されずに済みます。
IPX4の性能は買った時のままではない
等級はすべて、新品を試験条件下で測った結果です。
開閉するフタのパッキンが硬化したり、落下でわずかに筐体が歪んだりすれば、表記どおりの性能は出ません。
充電端子のカバーを閉め忘れた状態も同じで、そこは試験されていない開口部になります。
IPX4は元々が水しぶき前提の等級なので、劣化した状態で水没に近い扱いをすると一気にリスクが上がります。
長く使っている機器なら、表記より一段厳しく見て運用するくらいがちょうどいいでしょう。
なお衣類やバッグで見かける「撥水」はIPX等級とは別の話で、防水と撥水の違いを混同すると買い間違えます。
よくある質問
IPX4のイヤホンで雨の日にランニングしても平気ですか
水しぶき相当の雨であれば想定内です。
ただし土砂降りで長時間浴び続ける状況は試験条件を超えます。
帰宅後は水で流さず、乾いた布で拭いて乾かしてください。
IPX4とIPX7ではどちらが上ですか
潜水を含む点ではIPX7が上ですが、包含関係ではありません。
IPX7は一定水深に沈めた試験で、噴流水に耐えることは示しません。
IPX7とIPX8の実用上の差もあわせて確認すると位置関係がつかめます。
IPX4は防滴と同じ意味ですか
「防滴」はメーカーが独自に使う表現で、IPX4と一対一で対応する規格用語ではありません。家電表記での防水と防滴の違いを踏まえて、実際の等級表記を確認するのが確実です。
まとめ
IPX4は、あらゆる方向からの水しぶきに耐える等級です。
試験は揺動管方式なら約10L/minで10分、噴霧ノズル方式なら1m²あたり1分・最低5分。
常温の真水で行われます。
雨、跳ね返り、汗はこの範囲に入ります。
逆に、水没とシャワーの直撃はIPX4の外です。
海水や湯も試験条件から外れます。
そして等級は新品時の数値であって、パッキンの状態やフタの閉め方で実際の耐性は変わります。
表記を確認したうえで、水没させない使い方を前提に選ぶのが安全です。より高い等級が必要なら、IP68で水没が許容される条件まで踏み込んで比較してください。



