防水塗料の選び方|ベランダとコンクリートで違う種類
塗ってから一年で、塗膜のふちがめくれて水が回った。
よくある失敗ですが、原因は塗料の等級や銘柄ではありません。
ほとんどが下地です。
防水塗料選びは、塗る面が何なのか(コンクリート・モルタル・木部・既存の塗膜)と、その面が動くかどうかで大枠が決まります。
動く面に硬い塗膜を乗せれば割れますし、動かない面に厚い弾性塗膜を乗せても意味は薄い。カタログの「防水」という言葉だけを見比べても、この判断はできません。
見るべきは3つです。何に塗るか、どれだけ伸びが必要か、その塗料が今ある塗膜の上に乗るか。

なんでも防水したい編集部
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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
防水塗料を塗ったのに染みてくる原因は、塗料より下地にある
塗膜で水を止めるタイプの防水塗料は、下地に密着していることが前提です。
逆に言えば、密着が切れた瞬間に防水は終わります。
塗膜の性能が高くても、めくれた端から水が入って裏側に回り、そこから面積を広げていく。
この流れが「防水塗料なのに濡れた」の中身です。
密着が切れる原因は、だいたい決まっています。
まず汚れと粉。
屋外のコンクリートやモルタルは表面が白く粉っぽくなることがあり、その粉の上に塗ると粉ごと剥がれます。
次に水分。
洗ったあと十分に乾かないまま塗る、雨上がりに塗る、といったケース。
さらに、既存の塗膜との相性です。
前に塗ったものが何なのか分からない面に別系統の塗料を重ねると、下の層を持ち上げてしまうことがあります。
だから順番が大事です。下地を清掃して乾かす、必要ならシーラー(下塗り材)で表面を固めて吸い込みを止める、そのうえで上塗り。
この下塗りを省くと、上塗りが下地に吸われてしまい、規定の厚みが確保できません。厚みが出ない防水塗膜は、見た目は塗れていても水を止めきれません。
防水塗料の選定軸は4つに絞れる
塗る面の素材で使える系統が変わる
コンクリートやモルタルはアルカリ性で、吸い込みもあります。
木部は水を吸って膨らみ、乾いて縮む。
金属は錆止めの下塗りが先。
同じ「防水塗料」という棚に並んでいても、対応下地が違えばそのまま失敗につながります。製品の対応下地表示に自分の塗る面が入っているか、ここが最初の関門です。
伸び(弾性)が必要な面かどうか
ヘアクラックが出ているコンクリートや、日射で伸縮する床面は動きます。動く面には、塗膜が追従して切れないタイプが必要です。
一方、動きの少ない壁面や、汚れと紫外線を主に受ける面では、硬めで表面が締まっているタイプのほうが持ちます。弾性が高いほど良い、という話ではありません。
水性か油性(溶剤系)か
水性は臭いが穏やかで、道具の後片付けが水でできます。
ベランダや玄関まわりのように、生活空間と近い場所では扱いやすい。
溶剤系は密着や耐久で有利な製品が多いものの、換気と近隣への配慮が必須になります。
作業する場所の条件で選ぶ軸です。
トップコート(保護層)が要るか
弾性のある防水塗膜は、それ自体が紫外線や歩行で傷みやすいものがあります。その場合は上に保護用の仕上げを重ねる前提で製品が組まれています。
ここを塗らずに放置すると、防水層の寿命が一気に短くなる。塗り替えのときに「上塗りだけを更新する」設計にもなっているので、セットで確認しておくと後が楽です。
防水塗料のタイプ別比較|仕組みと弱点
| タイプ | 防水の仕組み | 向いている場面 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| アクリル系(水性) | 塗膜で水を遮る | 臭いを抑えたい場所、狭い面の塗り直し | 紫外線・摩耗での劣化が早めの製品が多い |
| ウレタン樹脂系 | 伸びのある塗膜で覆う | 細かいひび割れが動く床面・立ち上がり | 乾燥に時間がかかり、重ね塗りの間隔管理が必要 |
| シリコン系 | 硬めの塗膜で表面を締める | 紫外線と汚れを受ける壁面 | 大きく動く面では追従しきれない |
| アクリルゴム系(弾性) | 厚い弾性塗膜をつくる | ヘアクラックの多いモルタル・コンクリート面 | 規定量を塗らないと厚みが出ず性能が落ちる |
| 浸透性の撥水材 | 表面に染み込んで水をはじく(撥水) | 見た目を変えたくないコンクリート面 | 膜をつくらないため、たまった水の浸入は止まらない |
最後の行は「防水」ではなく撥水です。
水をはじくので雨がかりの汚れは減りますが、水が溜まる場所や、下の階に水が回るような状況には使えません。
ここを混同すると、塗ったのに直らないという結果になります。
ベランダとコンクリートで防水塗料の選び方はどう変わる?
ベランダの床は、水がたまる、人が歩く、直射日光が当たる、という三重の負荷を受けます。優先するのは伸びと、その上を守る仕上げ層。
歩行する面なので、滑りにくさも見ておきたいところ。
既存の仕上げがある場合は、その上に重ねられる製品かどうかが最初の判断になります。
手順と、よくあるつまずきはベランダに防水塗料を自分で塗るときの流れで整理しています。
駐車場の土間や基礎、外構のコンクリートは、吸い込みとアルカリ、そして粉っぽさが主な相手です。
下塗りで吸い込みを止めるかどうかで仕上がりが変わります。
判断の目安はコンクリートに塗る場合の下地処理の要否にまとめました。
木部は別物です。
水を吸って動くので、膜で完全に閉じ込めると内側の湿気が抜けず、かえって傷むことがあります。
ウッドデッキやフェンスなら木材向けの塗料の種類と選び分けを先に読んでおくと遠回りになりません。
塗料を塗ったあとに後悔しやすいポイント
一番多いのは量の見誤りです。
防水塗料は「規定の厚みを確保して初めて性能が出る」前提の製品が多く、薄く伸ばして面積を稼ぐと、塗ったのに止まらない状態になります。
缶に書かれた塗布量と塗り回数は、節約の対象ではありません。
次に天候。
乾燥時間は気温と湿度で変わり、乾かないうちに重ねると内部に溶剤や水分が残ります。
翌日に雨予報があるなら、その日は着手しない判断のほうが結果的に早い。
梅雨時や真夏の高温面も条件が悪くなります。
そして塗り替えの前提を持っておくこと。
屋外の塗膜は紫外線で確実に劣化します。
永久に持つ塗料はありません。
数年単位で上塗りを更新していく前提で、同系統の製品を選んでおくと次回が楽になります。
逆に、面の一部だけを別系統で補修すると、境目から浮きが始まりがちです。
養生も侮れません。防水塗料は乾くとほぼ落ちないため、サッシや外壁、排水口の周囲は塗る前に囲っておく必要があります。
塗料ではなく別の方法で守ったほうが早い場所
広い面を短時間で覆いたい、あるいは下地が動きすぎて塗膜が追いつかない。
こうした場合は、塗るより敷くほうが向きます。
厚みと固定方法の考え方は用途別に必要な厚みが違う防水シートの選び方で扱っています。
屋内の水はねならキッチンやペット用の防水マットのほうが後始末も含めて現実的です。
もうひとつ。
屋外に置く電気製品を塗料で守ろうとしないこと。
配線やコンセント、照明は機器側の防水性能で判断する領域です。
屋外コンセントに求められる条件やソーラーライトのIP等級の読み方のように、製品の等級表示で選ぶのが筋です。
塗料は面を守るもので、隙間や端子を守るものではありません。
よくある質問
防水塗料と撥水材は何が違いますか
膜をつくるかどうかです。
防水塗料は塗膜で水を遮り、撥水材は表面に染み込んで水滴をはじきます。
撥水は水はねや汚れの付着を減らせますが、たまった水や継続的な浸入には対応できません。
下に水が回っている状況で撥水材を塗っても解決しません。
今ある塗膜の上に重ねて塗れますか
製品と既存塗膜の組み合わせによります。同系統なら重ねられることが多い一方、系統が違うと下の層を持ち上げる場合があります。
前に何を塗ったか分からない面では、目立たない部分で密着を確かめてから進めるのが安全です。浮いている部分は先に落とします。
ひび割れがある面はそのまま塗って大丈夫ですか
幅のある割れは、塗料を重ねるだけでは埋まりません。
専用の補修材で先に処理してから塗るのが基本です。
細いヘアクラック程度であれば、弾性のあるタイプで追従させる考え方もあります。
割れが年々広がっているなら、塗装より先に原因を確認したほうがいいでしょう。
水性と溶剤系はどちらを選ぶべきですか
作業環境で決めます。
集合住宅のベランダのように換気が限られ、近隣が近い場所では水性が扱いやすい。
屋外で十分に換気でき、密着や耐久を優先したいなら溶剤系という選び方になります。
どちらにも防水用の製品があるので、性能だけで一方に決まるものではありません。
まとめ
防水塗料の選択は、塗る面の素材、必要な伸び、既存塗膜との相性という3点でほぼ絞れます。
そのうえで、塗膜を保護する仕上げが要る製品かどうかを確認する。
性能表示を横に並べるより、この順で見たほうが早く決まります。
床のように水がたまり人が歩く面は、伸びのあるタイプと保護層をセットで。
壁のように動きが少なく紫外線を受ける面は、硬めで表面が締まるタイプ。
見た目を変えずに水はねだけ減らしたいなら撥水材ですが、それは防水ではありません。
木部は膜で閉じ込めない方向で考えます。
最後にもうひとつ。
塗料の性能差より、下地の清掃と乾燥、規定量を守ることのほうが結果に効きます。
ここを丁寧にやれば、どの系統を選んでも大きく外しません。



