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完全防水リュックはどれ?IPX表記のない製品の見極め

土砂降りの中を1時間歩いても中身が乾いたままのリュックでも、IPX7のような等級表記は付いていないことがほとんどです。

表記がないから性能が低い、という話ではありません。

そもそもIPX等級は、リュックのような布製のバッグに付けることを想定した規格ではないからです。

では、表記がないものをどう見極めるのか。まずはIPX等級が何を測っている数字なのかを押さえると、リュック選びで見るべき場所がはっきりします。

なんでも防水したい編集部

「なんでも防水したい」は、身の回りのアイテムを 水濡れトラブルから守るアイデアを発信するメディアです。 防水スマホケース、防水バッグ、防水ガジェット、防水スプレーまで、 シーン別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

完全防水リュックにIPX表記がない理由

IPX4やIPX7といった等級は、JIS C 0920(IEC 60529と一致)で定められた「電気機械器具の外郭による保護等級」です。

対象は、電気を使う機器の外側の殻。スマートフォン、腕時計、イヤホン、ライトなどがこの規格で試験され、等級を表示しています。

リュックは電気機械器具ではありません。

だからメーカーが等級を取得する動機が薄く、結果として表記されない製品が大多数を占めます。

ここを知らないまま「IPX表記のあるリュックだけ選ぼう」と決めてしまうと、選択肢が極端に狭くなります。

一方で、メーカーが「完全防水」と自社表記している製品もあります。これは規格用語ではなく、各社が独自の基準で使っている表現です。

同じ「完全防水」の文字が、片方は水没に耐える設計、もう片方は強い雨に耐える設計を指していることがある。

だから文字ではなく、後述する構造で判断する必要があります。

完全防水と撥水の違いから防水バッグを比較した記事もあわせて確認すると、表記の幅が見えてきます。

IPX4からIPX8はリュックの中身をどこまで守れる等級か

等級の意味を、迷いやすい場面ごとに整理します。以下は規格上の定義から言えることで、リュックにそのまま当てはまるわけではありませんが、防水性能を考える基準として役に立ちます。

耐えられる場面

IPX4は「あらゆる方向からの飛まつ(水しぶき)によっても有害な影響を及ぼしてはならない」等級です。

降ってくる雨、通り過ぎる車の跳ね上げ、洗面所での水はねはこの範囲に入ります。

IPX5とIPX6はノズルからの噴流水が対象で、勢いのある水を直接当てる状況まで想定されています。

耐えられない場面

IPX4からIPX6は、水中に沈めることを試験していません。

プールに落とす、川に流す、浴槽に浸けるといった場面は対象外です。

水没を想定するならIPX7以上が必要になります。

そして重要なのが、試験は常温の真水で行われるという点。海水、湯、石けん水、水圧のかかるシャワーは、いずれも試験条件の外側にあります。

海で使うならIPX表記だけでは判断できません。プールと海で必要な等級が違う防水ポーチの解説で、水の種類による差を確認しておくと安心です。

防水等級の違いを試験条件で比べる

等級試験条件想定される場面
IPX4揺動管方式は約10L/min・10分、噴霧ノズル方式は表面積1m²あたり1分・最低5分あらゆる方向からの水しぶき
IPX5ノズル内径6.3mm・12.5L/min・距離2.5〜3m・最低3分ノズルによる噴流水
IPX6ノズル内径12.5mm・100L/min・距離2.5〜3m・最低3分強力なジェット噴流水
IPX7水深1m(外郭高さ850mm未満の場合)に30分間浸漬一時的な水没
IPX8標準試験条件は規格に存在せず、製造業者と使用者の協定で決める継続的な水中使用

IPX4に試験方法が2種類あることに注目してください。揺動管方式と噴霧ノズル方式で所要時間が違うため、「IPX4は◯分の試験」と一つに断定はできません。

IPX8も同様に、規格側が標準条件を定めていない等級です。数字が大きいほど安心という単純な話ではないことが、この表から読み取れます。

リュックの防水表記でよくある誤解

等級は上位が下位を包含しません。

IPX7とIPX8は潜水の試験であり、噴流水に耐えることを意味しない。

だから両方の性能が必要な製品は「IPX5/IPX8」のように併記されます。

片方だけの表記を見て「上位だからすべて大丈夫」と読むのは誤りです。

「X」の意味も誤解されがちです。Xはその項目を試験していない、または表示していないという印であり、性能がゼロという意味ではありません。

IP68のような2桁表記なら、1桁目が防じん、2桁目が防水。6は「耐じん形」でじんあいの侵入があってはならない水準、8は継続的潜水を指します。

もう一つ、バッグの説明でよく見かける「生活防水」。

これは規格用語ではなく、明確な定義がありません。

メーカーが独自に使う表現なので、同じ言葉でも実際の性能には幅があります。

撥水との混同にも注意してください。撥水は生地の表面で水をはじく処理で、時間をかけて当たり続ける水や、縫い目やファスナーからの浸水は防げません。

IPX表記のない防水リュックを構造で見極める

等級がないなら、水の入口を潰しているかどうかで見ます。見るのは3か所です。

まず開口部。ロールトップのように口を数回巻いて留める方式は、水の通り道を物理的になくす考え方で、雨天や水没の可能性がある場面に向きます。

通常のファスナーは開閉が速い反面、そこが最も弱い部分になりやすい。防水ファスナーや止水フラップを備えているかを製品説明で確認してください。

次に縫い目です。

生地そのものが水を通さなくても、針穴が残っていればそこから染みます。

シームを溶着やテープで塞いでいるか、あるいは縫製自体を減らした作りかどうか。

ここは製品によって処理が大きく異なります。

最後に底面と背面。

地面に置いたときに水を吸う素材だと、雨上がりのベンチや濡れたホームで下から濡れます。

雨でも中が濡れない構造を掘り下げた解説と、登山と街で必要になる差をまとめた記事で、用途別の見どころを確認できます。

既に持っているリュックを守るだけなら、リュックカバーの固定方法を検討するほうが早い場合もあります。

そして等級も構造も、あくまで新品時の話です。

パッキンの劣化、生地の摩耗、落下による変形で性能は落ちていきます。

数年使ったリュックに、購入時と同じ防水性を期待しないでください。

よくある質問

IPX7と書かれていれば、川に落としても中身は無事ですか

断定できません。

IPX7の試験条件は、外郭高さ850mm未満の場合に水深1mへ30分間浸漬すること。

常温の真水で行われます。

流れのある川、水圧のかかる深い場所、海水はいずれも条件の外です。

IPX8のほうがIPX6より雨に強いということですか

いいえ。

IPX8は継続的潜水の等級で、強力なジェット噴流水を試験していません。

等級は上位が下位を含む仕組みではないため、噴流水と潜水の両方が必要なら「IPX6/IPX8」のような併記を探します。

リュックに防水スプレーをかければ同じ効果になりますか

スプレーで得られるのは撥水性で、防水とは別物です。

表面で水をはじく時間は延びますが、縫い目やファスナーの隙間から入る水は止められません。

構造で守っているリュックの代わりにはなりません。

まとめ

リュックにIPX表記がないのは当然のことです。

IPX等級は電気機械器具の外郭を対象とした規格であり、布製のバッグを想定していません。

表記の有無で優劣を決めず、開口部の閉じ方、縫い目の処理、底面の素材という3点で判断してください。

メーカーが「完全防水」と書いていても、その言葉に規格上の定義はありません。IPX表記がある製品を選ぶ場合も、等級の数字だけでなく試験条件まで読むこと。

常温の真水で、決められた時間だけ試した結果である、という前提を忘れないでいてください。通勤向けの見た目で選ぶ場合軽さと容量を両立させたい場合は、防水構造とのバランスも一緒に考える必要があります。

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